出版社内容情報
国内最大級の水生昆虫であるタガメ、ゲンゴロウの生態、特長、その飼い方や仲間の昆虫たちについて、豊富な資料をもとに解説する。一昔前の農村では当たり前に近くの水田や池沼で見ることができたタガメとゲンゴロウの仲間たちは、現在では数が激減し、野外で出会うことも難しい昆虫となった。タガメのメスの卵塊破壊や「田のムカデ」とよばれる8センチにもなるゲンゴロウの幼虫など、それらの生態には不思議な特徴に満ちている。49の視点から普段じっくり見ることのできない希少な水生昆虫を写真と資料で詳細に解説。
はじめに
第1章 水生昆虫の世界へようこそ
01流水性の水生昆虫
02止水性の水生昆虫
03水生カメムシ、水生甲虫の呼吸
04水生昆虫の生息場所
1 水田で暮らす水生昆虫
2 湖や池沼で暮らす水生昆虫
3 河川や水路、地下水で暮らす水生昆虫
05水生昆虫の飛行と移動
第2章 タガメの仲間たち
06世界のコオイムシ科昆虫
07コオイムシとオオコオイムシ
08オオコオイムシ、背中の卵数からわかること
09オオコオイムシの乱婚型産卵行動
10コオイムシ類のオスの卵保護行動
11タガメはマムシまで捕食する
12タガメの産卵
13タガメのオスは卵を育てる
14タガメのメスが卵塊を破壊する
152卵塊を並行して保護する
16外国産のタガメを飼育する
17なぜ卵塊を破壊するのか
18それは卵から始まった
19タガメの幼虫の成長と羽化
20タガメの冬越し
21ミズカマキリとヒメミズカマキリ
22タイコウチとヒメタイコウチ
23コバンムシとメミズムシ
24ナベブタムシの仲間たち
25マツモムシとオオミズムシ
26アメンボの仲間たち
第3章 ゲンゴロウの仲間たち
27ゲンゴロウは早起き
28ゲンゴロウ類の交尾
29ゲンゴロウの産卵
30ゲンゴロウ幼虫の成長と蛹化、羽化
31再発見されたシャープゲンゴロウモドキ
32北海道、沖縄のゲンゴロウ
33中型のゲンゴロウ類
34微小なゲンゴロウ類
35ガムシやコガネムシのなかまたち
36コガシラミズムシ類と微少ガムシ類
37水面を泳ぐミズスマシ類
第4章 水生昆虫とのつき合い方
38絶滅が心配される水生昆虫
39田んぼから虫が消えた
40池からも虫が消えた
41復活したコガタノゲンゴロウ
42法令による採集禁止と保全活動
43タガメの保全活動
44タガメやゲンゴロウを食べる
第5章 タガメやゲンゴロウの飼育法
45タガメの里親になる
46タガメを飼育する
47ゲンゴロウを飼育する
48ミズカマキリ、タイコウチを飼育する
国内の水生昆虫展示施設
49いまだに分からないこと
あとがき・謝辞
参考文献等
市川 憲平[イチカワ ノリタカ]
著・文・その他
内容説明
水生昆虫で国内最大級のタガメとゲンゴロウは、20世紀中頃までは近くの水田で見ることができた。しかし、農業技術や環境の変化にともない、その姿を消しつつある。こうした水生昆虫の不思議な生態や減少の原因、飼育法などを紹介。
目次
第1章 水生昆虫の世界へようこそ(流水性の水生昆虫;止水性の水生昆虫 ほか)
第2章 タガメの仲間たち(世界のコオイムシ科昆虫;コオイムシとオオコオイムシ ほか)
第3章 ゲンゴロウの仲間たち(ゲンゴロウは早起き;ゲンゴロウ類の交尾 ほか)
第4章 水生昆虫とのつき合い方(絶滅が心配される水生昆虫;田んぼから虫が消えた ほか)
第5章 タガメやゲンゴロウの飼育法(タガメの里親になる;タガメを飼育する ほか)
著者等紹介
市川憲平[イチカワノリタカ]
姫路獨協大学非常勤講師、元姫路市立水族館館長。1950年生まれ。専門は止水性水生昆虫の保全生態学。タガメやゲンゴロウなどの水生昆虫の生態研究とともに、放棄田を活用してビオトープをつくり、タガメやゲンゴロウなどを保全する活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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