内容説明
夫が、恋人が、父が、息子が…。魂の殺人と呼ばれる性犯罪。好奇の目に晒され、嘲笑の的となり、声を上げることができない性犯罪「加害者」家族。性犯罪加害者家族支援の理論と現状を踏まえ、支援の実践例を通して効果的な支援のあり方を提案する。
目次
第1部 性犯罪加害者家族支援の理論(ケアと人権―修復的正義の観点から;性犯罪加害者家族へのアプローチ―支援におけるケアと人権)
第2部 性犯罪加害者家族支援の現状(日本における性犯罪加害者家族の現状と支援;アメリカにおける性犯罪と加害者家族に関する概要)
第3部 性犯罪加害者家族支援と刑事弁護(捜査段階における加害者家族支援;否認事件の家族;少年事件と家族;被告人の更生と家族)
第4部 性犯罪加害者家族の心理的支援(性犯罪者加害者に対する情状鑑定の実際と加害者家族へのアプローチ;性犯罪加害者家族への心理的支援)
著者等紹介
阿部恭子[アベキョウコ]
NPO法人World Open Heart理事長。東北大学大学院法学研究科博士課程前期修了(法学修士)。2008年大学院在籍中に、社会的差別と自殺の調査・研究を目的とした任意団体World Open Heartを設立(2011年にNPO法人格取得)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tellme0112
7
第一章、ケアと人権は難しすぎて読み飛ばし。コラムのアメリカのドラマは見たくなった。(そこかよ!)加害者家族の社会的制裁や更正への負担は、家の中に女性が閉じ込められるような思いがした。2019/05/23
Akio Kudo
2
★★★ 少しアウトプットに問題があり、分かりづらい。しかし、加害者の家族は否が応でも巻き込まれ傷つく。その思いを加害者は自覚できるのかと気になる2021/11/06
マイ
0
加害者家族支援NPO理事長による事例紹介。性犯罪は性的欲求だけでなく、対人関係の持ち方、親密性、感情のコントロール、共感性の強弱、認知の歪みなどで起こるという観点は忘れないようにしよう。兄の加害判明後、不登校になった弟妹の事例が生々しかった。家族間での責任のなすりつけあい、被害者、加害者への憎悪。ここでも共依存か。家族とはかくも罪深い構造なのかと呆れるけれど、そういう事例を知りたかったので満足です。ピアカウンセリングとピアサポートの違いも勉強になりました。2023/05/20