内容説明
本書には、時枝誠記、荒木繁、益田勝実の古典教育論の研究を収めている。いずれも、着実な先行研究の上に立って研究課題を発見し、これまでにない視点から切り込み、数々の新見・新説を提示している。時枝誠記の古典教育論と言語過程説との関係や、荒木繁の授業実践とソビエトの文学教育理論との関係、「微視の眼」と「巨視の眼」に着目した益田勝実の古典教育の方法などを解明している点がそれである。最後に、三氏の古典教育論を比較考察して、それぞれの特質と課題を浮き掘りにしている。著者の研究の特色は、単なる理論研究にとどまるのではなく、実際の教育方法にも着目して、理論と実践との統合を視野に入れた古典教育論研究を展開するところにある。
目次
序章 研究の目的と方法
第1章 時枝誠記氏の古典教育論
第2章 荒木繁氏の古典教育論
第3章 益田勝実氏の古典教育論
第4章 時枝誠記・荒木繁・益田勝実三氏の古典教育論の特質と課題
結章 研究のまとめと課題
著者等紹介
渡辺春美[ワタナベハルミ]
1951(昭和26)年、愛媛県に生まれる。1969(昭和44)年、愛媛県立宇和島東高等学校卒業。1973(昭和48)年、広島大学教育学部高等学校教員養成課程(体育科)卒業。1975(昭和50)年、同(国語科)卒業。香川県大手前高等(中)学校、大阪府立岬高等学校、大阪府立和泉高等学校を経る。1994(平成6)年、大阪府立和泉高等学校在籍のまま、鳴門教育大学大学院学校教育研究科教科・領域教育専攻(言語系コース)修了。1999(平成11)年、沖縄国際大学文学部助教授を経て、現在、同総合文化学部教授。国語教育学専攻。全国大学国語教育学会、日本国語教育学会、日本文学協会、日本読書学会、日本教科教育学会、解釈学会、中国四国教育学会会員
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