内容説明
アメリカの作家たちは、いつの時代も、新しい手法を探求している。発想も柔軟で、あまりジャンルにもこだわらず、自由に絵画性を導入し自分たちの文学空間の可能性を広げている。本書では、アメリカ文学の中でも、ひときわ絵画と関係の深い小説家や詩人を選んだ。テクストへのアプローチの仕方を絵画というフィルターに求めて、その作家の本質に触れ、テクストの新たなる核心に迫った。
目次
第1章 メルヴィルの反アメリカン・ピクチャレスク―「リップ・ヴァン・ウィンクルのライラツク」論
第2章 ホーソーンの『大理石の牧神』における二枚の絵画をめぐって
第3章 ストレザーの見る絵―『使者たち』におけるジェイムズの絵画的手法
第4章 キュービズムとガートルード・スタインの「緑色のゲーム」に見られる視覚と技法の相関関係
第5章 カーロス・ウィリアムズにおける絵画的手法
第6章 ヘミングウェイの散文におけるキュービズム的構造
第7章 キュービストとしてのフォークナー
第8章 ジャック・ケルアックとジャクソン・ポロックの即興的手法と作品構造について