ＧＣＮ文庫 センパイ、自宅警備員の雇用はいかがですか？

二上 圭【著】/日向 あずり【イラスト】

マイクロマガジン社（2021/12発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 314p／高さ 15cm
• 商品コード 9784867162224
• NDC分類 913.6
• Cコード C0193

出版社内容情報

「センパイ、自宅警備員の雇用はいかがですか？」。底辺社畜サラリーマンと対人恐怖症女子高生のギリギリな同居生活スタート！

内容説明

「攻城戦の延期は否。早期決着を望みます」模範的に将来性のない底辺社会人、田町創。ある日彼のもとに『センパイ、自宅警備員の雇用はいかがですか？』と連絡が。相手はネトゲで知り合った、顔も名前も年齢も知らない５年来の友人、「レナ」。『実は自分、巨乳ＪＫ美少女なんすよ』と言うので釣られに行ってみれば、看板に偽りなしの本物が待っていた！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ナギ]

設定はよくある家出少女との同居物だが、主人公の淡々とした生き方が他のそれとは別物になっている。作者が言いたい事をキャラに言わせてるなぁと感じる部分もありますが、不愉快ではない。むしろ痛快でもあり、今の社会の闇を彷彿とさせてくれる。現代社会はコミュ障には致命的ですからね。そういう部分も隠さず書いていくスタイルは好きです。後半には恋愛感情に至らない依存を感じる部分もリアルで良いですね。

2022/10/15

[芳樹]

軽めの標題に可愛い女の子、あらすじから社会人とおしかけ女子高生のラブコメと思われるのでは。しかし本作品は”無敵の人”や”親ガチャ”といったキーワードが含まれる、割と重めのヒューマンドラマ小説でした。底辺社会人タマのもとに長年のゲーム仲間であるJKレナが身を寄せることになるという反道徳的な内容で、彼らの社会規範をはみ出した言動や極端な思想にこそ本作品の面白みがある。悲劇的結末ばかり予想されますが、タマもレナも自分がろくでなしであることを自覚しているところに救いがあるように思いました。今後の展開が楽しみです。

2021/12/22

[まっさん]

★★★ なろう発美少女JKと平凡な社会人が織り成す恋物語第一弾。 タイトルやあらすじから甘いラブコメ物を想像していたけど、割と早い段階から家出JKの法的しがらみや彼女の家庭環境等重めの話を扱うややシリアス寄りなヒューマンドラマ風な物語が始まって良かったと思います。決して悲惨な訳ではないけれど、お世辞にも恵まれているとは言い難い境遇にある一人の少女が身を削る覚悟を決めてまでそれまでの環境から飛び出してくる流れには同情を覚えましたし、それに伴って彼女を応援したくなる気持ちを持つ事で話に入り込みやすかったで→

2022/03/22

[しぇん]

あまりに好きな言葉ではないですが、今年流行った親ガチャという言葉を考えさせられるラノベでした。節々にヒロインより主人公のが闇深そうな感じがしましたが、最後少し明かされた感じですね。まだ学校の自殺エピソードが眠ってそうなのがどうなるのやら……。あと、元々五人の群像劇ぽかったんですね。収拾するのが難しそうなので今の形式のが良さそうだと感じました

2021/12/29

[rotti619]

男と思っていたネトゲのフレが実は女の子だった+社会人が家出女子高生と同棲、という設定はありがち✕２なのだが、天賦の才があってもコミュ症というだけで社会から脱落する、不登校の女子高生を社会人が匿う事は法的リスクに触れる等、社会ドラマ的な側面が強い作品。表紙からの印象とは異なり、萌え方向には振られていない。主人公のタマはタマで聖人とはかけ離れた性格と人生観を持っているので、レナとの今の生活は破滅の先延ばしと自覚しながらある種退廃的な、でも否定しきれない何かを感じさせる。終着点が見えないが、この先どうなるか。

2022/04/19