出版社内容情報
2018年ノーベル医学・生理学賞受賞！
今、日本の科学の未来のために、何が必要なのか？
「医学的な研究は、長い眼で見て、本当に基礎的なことから思いがけない大きな発見が出る」――本庶佑
がんの免疫治療への画期的貢献によって2018年ノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑・京都大学特別教授。
「免疫は記憶する」という研究の核心、生命体の「多様性」の原理、そして世紀の発見に至るまでの道のりを平易に語った講演に加えて、長期的・国際的視点にたって「予防医療」の重要性と、「基礎科学」および「生命科学」への投資の重要性を強く訴えた対談を収録。
本庶 佑［ホンジョタスク］
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
70
ノーベル賞受賞時のコメントから興味あった本庶先生。研究・生命学的幸福論・教育と3本からの本。免疫研究から逆転の発想で発見された免疫PD-1。アクセル踏むのでなくブレーキ外す考え方。そこからオプジーボまで20年。片や現在の政府の基礎研究に対する考え方は5年スパン。そこに本庶先生ならではの考えが興味深い。その他再生医療と生と死、生命科学の青少年教育への意見等、先生の種々コメントから伺えたとおり、この先生の洞察された考えは勉強になる。是非一度講演を拝聴したい候補の方の1人となりました。2019/03/03
アキ
35
２つの講演と１つの対談からなる。そのうち「ＰＤ－１抗体発見への道のり」は今年６月に聴いた講演内容と同じだった。免疫は自然免疫と獲得免疫に分れ、獲得免疫は脊椎動物だけにあり地球上で繁栄する理由である。免疫治療ががん治療の第一選択になるだろうと。「幸福の生物学」では生物学の視点から幸せを考察し、生物は情報の集積体であり、３つの欲（生殖欲・食欲・競争欲）もそれだけでは幸福に達しない。人は不安感がない状態＝宗教を発明し「安らぎと時折の快感刺激」が幸福であると。最後の対談では基礎医学と学校教育で生物の重要性を説く。2018/12/22
Isamash
26
ノーベル賞受賞者の本庶佑の2018年発行著作。２つの講演録と川勝平太静岡県知事（元早稲田大学教授、専門は比較経済史）との対談から成る。生化学/基礎医学の権威である早石修（京大阪大東大の教授を歴任）門下のイメージが大で、本庶先生が20代末から米国カーネギー研究所及びNIHに3年留学してたことは知らなかった。利根川進MIH教授ほどではないにしろ、米国で分子免疫学研究に出会えたとあり留学先で得たものは大で純国産では無いらしい。その延長線上にあるノーベル賞受賞に導いた研究ストーリーは、意外性も有り抜群に面白い。 2022/02/10
zoe
22
メモです。財団向けの一般公演的内容。ざっくりご自身の専門、生物学ー生き方、静岡県知事との対談。PD-1欠損マウスでがん転移が起こらないことの発見前後。ユニバーサル・ヘルスカバレッジ。100万人規模のゲノムコホート。人は死ぬ。ジェネレーションの理解の仕方。分子時計。（ヘモグロビン、ロドプシン、ミトコンドリア、プロロプラスト）理系科目は日進月歩、大学院を出たばかりくらいの先生が教えるのがいいのでは。福沢諭吉は何をした人？当時の静岡県知事は早稲田派らしい。2020/03/07
zoe
19
毎日ちまちました仕事をしていると当たり前で基本的な事がぶれてないかと心配になります。そうですよね、そうですよねーという事を、改めて。2021/12/26
