出版社内容情報
稀有な一家の、内側からの80年史!
作家・政治家の父・鶴見祐輔、後藤新平の長女の母・愛子、国際政治学者の姉・和子、哲学者の兄・俊輔―― 「人の御世話をするよう」の哲学に貫かれた稀有な一家の稀有な半生!
内山 章子[ウチヤマアヤコ]
著・文・その他
内容説明
父、鶴見祐輔(政治家、作家)、母、愛子(後藤新平長女)、姉、鶴見和子(社会学者)、兄、鶴見俊輔(哲学者)、夫、内山尚三(法学者)…稀有な一族を「黒子」として見送ってきた九十年の半生。
目次
1 昭和の子―私の戦争体験(もの心づいた頃;「あなたはほかの子と違うの」;優しい父、一途な母;父の後ろ姿 ほか)
2 看取りの人生(母を想う;父に学ぶ;弟のこと;夫を送る;姉の旅立ち;兄への挽歌)
著者等紹介
内山章子[ウチヤマアヤコ]
1928年東京生まれ。1948年、東京女子大学専門部歴史科卒業。2004年、京都造形芸術大学入学。2012年、同卒業。俳句結社「玉藻」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しゃが
55
あの鶴見家の支えた女性が政治家の父祐輔、後藤新平長女の母愛子、社会学者の姉和子、哲学者の兄俊輔、弟、夫、そして少年だった息子を看取った自らの在り様と家族たちの生き様を顧みる。闘病記録でもありながら、昭和史でもあった。ただ資産家とは別の意味でリベラルな一族の豊かさの一面や矜持のようなものを感じた。文章は作文調だったことが残念。和子氏の闘病中の和歌「この日この刻よく生きなむとねんずるなりいつとは知らずよく死なむため」は心に響いた一首。 2018/12/15
ネギっ子gen
10
著者は、父・鶴見祐輔が衆議院議員に初当選時に生誕。母・愛子は後藤新平の長女。社会学者の姉・和子と10歳違いで、哲学者の兄・俊輔とは6歳違い。米国に留学した姉や兄と違い、著者は<自己主張をしないように5歳から育てられ/進学も駄目、就職も駄目。しかし結婚はよし。その通りにして、自分の専門を持つことを許されず、家族の看取りを仕事として生きた>と記す。だから、このように<「看取り」を書き記すことは、リベラルな家の「黒子」として育った自分の、導かれた運命だったのではないかと思う>と卆寿にして、看取りの記録を本に。⇒2020/10/08