出版社内容情報
朝鮮の言葉を取り戻す――
70年代終わりから90年代半ばにかけての評論を、エッセイ、文学論、民謡・音楽論、在日論、社会批評の5つに区分けして収録。日本の植民地支配下にあった幼少期を綴る代表的エッセイ「クレメンタインの歌」(1979)ほか、時代の変遷のなか朝鮮と日本の戦後を振り返る。
[解説]金石範・細見 和之
[推薦]鶴見俊輔・辻井喬・金石範・高銀・吉増剛造・四方田犬彦・鵜飼哲・佐伯一麦
金時鐘[キムシジョン]
著・文・その他
金石範[キムソクポム]
解説
細見 和之[ホソミカズユキ]
解説
目次
1 クレメンタインの歌―エッセイ(クレメンタインの歌;私の出会った人々 ほか)
2 見えない壁こそ壁―在日論(こぼれた話;伝えることのむずかしさ ほか)
3 詩を生きること―文学論(野口豊子詩集『草束』に寄せて;やさしき夜叉のうた―藤波玖美子詩集『風のように』 ほか)
4 隔てた思いが奏でる響き―民謡・音楽・映画論(歌よとどけ!ひとつの心ひとつの歌;歌い継ぐ歌のかなしさ―韓国歌曲の夕べに寄せて ほか)
5 「戦後」この長き歳月―社会批評(重い問いの所在―『中国・朝鮮論』“良心”の限界を見る;揺らぐ燐光 ほか)
著者等紹介
金時鐘[キムシジョン]
1929年(旧暦1928年12月)朝鮮釜山に生まれ、元山市の祖父のもとに一時預けられる。済州島で育つ。48年の「済州島四・三事件」に関わり来日。50年頃から日本語で詩作を始める。在日朝鮮人団体の文化関係の活動に携わるが、運動の路線転換以降、組織批判を受け、組織運動から離れる。兵庫県立湊川高等学校教員(1973‐88年)。大阪文学学校特別アドバイザー。詩人。主な作品として、詩集に『四時詩集 失くした季節』(藤原書店、2010、第41回高見順賞)、評論集に『「在日」のはざまで』(立風書房、1986、第40回毎日出版文化賞。平凡社ライブラリー、2001)、エッセーに『朝鮮と日本に生きる』(岩波書店、2015、大佛次郎賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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