内容説明
「人権」概念が世界的に普及しつつある今、多文化主義との交錯のなかで、「西洋近代」という出自を超え、より普遍化する論理が求められている。Ch・テイラーらを参照しつつ、非西洋地域の文化と伝統のなかにも「人権」の正統化の根拠を探る、気鋭による野心作。
目次
第1章 「理念としての人権」と「道徳的権利としての人権」(道徳的権利としての人権;理念としての人権)
第2章 規範概念としての人権―メタ倫理学的アプローチ(人権の実在性;スティーブンソンの情動主義 ほか)
第3章 人権の根拠に関する比較思想史の試み(人権の基礎付け;人権の受容にキリスト教共同体主義が果たした役割―西洋 ほか)
第4章 東アジアにおける人権の根拠―「義理」と「天理、国法、人情」(義理とは何か?;西洋の責務と日本の義務 ほか)
第5章 新たな人権理論の必要性―将来世代の権利(将来世代の権利を巡る課題とアプローチ;集団としての人権を巡る課題 ほか)
著者等紹介
森田明彦[モリタアキヒコ]
1958年生まれ。東北大学文学部卒。外務省、国際連合開発計画、財団法人日本ユニセフ協会広報室長、東京工業大学特任教授等を経て、2010年4月より尚絅学院大学教授。博士(学術、早稲田大学)。専門は人権思想、国際人権論、グローバル教育。2016年4月より2017年3月までコロンビア大学(米国ニューヨーク市)人権研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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