内容説明
子育て、介護、環境…地域づくりに取り組む人をみんなで応援する仕組みをつくろう。若者たちが始め、金融機関、自治体、企業、大学、そして多くの個人を巻き込んで広がる「地域のお金を地域で生かす」挑戦。
目次
第1章 新しいお金の流れをつくる―いま各地で起きていること
第2章 過去を見るか、未来を見るか―NPOバンクmomoはなぜ貸し倒れゼロなのか
第3章 お金と人のエコシステム―地域に必要な仕事を、みんなで応援する
第4章 仕事の「価値」って何だろう―お金でないものを見つめる
第5章 小さな一歩から始まる―地域課題への挑戦者たち
第6章 共助社会をめざして―誰もが当事者になる時代
著者等紹介
木村真樹[キムラマサキ]
公益財団法人あいちコミュティ財団代表理事。コミュニティ・ユース・バンクmomo代表理事。1977年愛知県名古屋市生まれ。静岡大学卒業後、中京銀行勤務を経て、A SEED JAPAN事務局長やap bank運営事務局スタッフなどを歴任。地域の課題解決に地域の“志金”を生かす「お金の地産地消」を推進したいと、2005年にコミュニティ・ユース・バンクmomo、2013年にあいちコミュニティ財団を設立し、NPOやソーシャルビジネスへの助成・補助・融資による資金支援と、ボランティアとの伴走支援に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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kana
24
地域の課題解決に挑む人々に出資されたお金を融資するNPOバンクmomoの活動の広報を目的にした軽めの本かと思いきや、読みやすいながらも骨太な想いの詰まった一冊。生きること、働くこと、住むことといった日々の営みの原点を見つめ直し、広報で何を実現したいのか改めて考えさせられました。助成先の選考で大切にしている【どれだけの成果を目指しますか。そのためにいくら必要ですか】という問いは特にぐっとくる。NPOこそ成果志向であるべきでその可視化に努めるべきと明言する姿勢は清々しく、自分自身にも問いかけずにいられません。2017/10/07
ゆうゆう
5
地元のお金は地元で活かす。お金を回す仕組みを、金融をNPOでできるのか、新鮮な驚きだった。将来性ある団体への、ちゃんと審査した上での貸し出し、地元の金融機関との交流、すごい仕組みだ!こんな仕組みで色々出来たら、「公」に頼らずに助け合える、まさに「結」とか「講」とかの世界。NPOって奥が深い!2017/12/17
nobinobi
5
筆者は、NPOバンクmomoの代表である。地域課題解決に取り組むNPOを中心に融資をしており、驚くべきことに未だ貸倒れを出したことがないそうだ。それは、ただお金を貸して終わりという関係ではなく、積極的に融資先と人的交流をしており、応援する体制が整っているからであろう。2017/07/29
Yuko
4
NPOバンクなどの地域金融が、地域に根差した互助組織として新しいお金の流れをつくる。それぞれの地域で抱える課題や、貧困・環境といった社会的な課題に対して出資を募るファンドなど新しい形態の仕組みとお金の流れが、経済的価値と社会的価値を両方生み出す様に勇気づけられました。 ある食材を買うことはその生産者や地域への応援・投票行動であるように、地域のお金を地域で生かすー地産地消なお金の使い方、「地域のために何かしたい」という思いのこもったお金(志金)によって、地域が変わっていくことが実感できるのは嬉しいだろうな。2017/10/11
peko
2
金融機関にお金を預けることが当然だと思っていたが、その意味って何だろうと考えさせられた。どこに、何のために使われているのかがわからないのに。それよりも、地域のために使われるのって、安心するし、もっと有意義な気がする。2018/04/30