出版社内容情報
作家である「僕」が、母と過ごした幸せに満ちた少年時代を回顧した物語。プルースト『失われた時を求めて』の巧みなオマージュ。作家である「僕」が、母と過ごした幸せに満ちた少年時代を回顧した物語。プルースト『失われた時を求めて』の巧みなオマージュ。
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謝辞
『失われた時を求めて』概略
訳者あとがき
ポール・ヴァッカ[ポールヴァッカ]
著・文・その他
田村奈保子[タムラナホコ]
翻訳
内容説明
文学好きの母の望みは“僕”が作家になること。幸せに満ちた少年時代に訪れた悲しい別れまでの日々が、言葉の力によって瑞々しく蘇る―。『失われた時を求めて』を換骨奪胎しつつ、人生と文学への愛を謳う。マルセル・プルースト賞受賞の現代フランス作家による小説、本邦初訳。
著者等紹介
ヴァッカ,ポール[ヴァッカ,ポール] [Vacca,Paul]
1961年生まれ。パリ在住。ソルボンヌ大学で文学と哲学を修めた後、小説家、エッセイスト、シナリオ作家となる。『鐘の音が響くカフェで』が小説第一作。シャンベリー新人作家賞、ラヴァル新人作家賞やカブール・マルセル・プルースト賞などを受賞している
田村奈保子[タムラナホコ]
1962年生まれ。福島大学行政政策学類教授。専門分野はフランス文学。神戸大学大学院文化学研究科(博士課程)単位取得退学。ソルボンヌ(パリ第四)大学DEA課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
112
装丁がキレイで手に取ったのだが…、短いのですぐ読めた。そうでなければ投げ出していたかもしれない。『失われた時を求めて』をなぞるように書かれているということ、それ以上に特に感慨深いものもなく...。訳も、「なんなんだろうなあ」と思った。2018/10/24
tom
23
図書館の「コロナの時代、家で過ごす時間のために」というコーナーでこの本を見つける。中身も見ずに借りてくる。開いてびっくり、奇妙な既視感。そうですか、プルーストをネタにした小説でした。プルーストは、光文社版の6巻目を読んでいるところ。12歳の少年がプルーストの本を拾って持ち帰る。お母さんは、喜んでしまって、全巻買いそろえ、少年と一緒に読み始める。父親は、同性愛小説を読んでいると思って、不安に駆られる。そして、・・・・。とてもよろしい短編小説。とても悲しい結末が待っているけれど、読んでいて心地よい。2020/07/17
きゅー
10
プルーストの『失われた時を求めて』の内容を換骨奪胎した良作品。13歳の"僕”は、作中で"あなた”と呼ばれる母親と父親の3人暮らし。ある時”僕”は、好意を寄せている女性が『失われた時を求めて』を置き忘れたのを拾い、家に隠し持って帰る。それがきっかけとなって彼の生活が徐々に変わっていく。物語全体を通して『失われた時を求めて』で重要となる、母や恋人との関係、円環構造、無意識的記憶といったモチーフが再現されており、軽い印象ながら気持ちの良い小説だった。2021/10/13
七草奈々子
0
一つの街が、十三歳の少年を中心に、プルーストを巡って変容していく。『失われた時を求めて』は、決して知識人のための難解な書物であるわけではなく、あらゆる人が愛すべき作品である、というメッセージを感じる。2018/10/07