自由と尊厳を超えて

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  • サイズ B6判/ページ数 309,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861103414
  • NDC分類 140.18
  • Cコード C0011

内容説明

行動科学は人類の未来を変えられるか。行動は心ではなく、環境によってコントロールされている。自由と尊厳の見方をくつがえし波紋を呼んだ心理学屈指の名著、待望の新訳。行動分析のバイブル。

目次

第1章 人間行動のテクノロジー
第2章 自由
第3章 尊厳
第4章 罰
第5章 罰に代わるもの
第6章 価値観
第7章 文化の進化
第8章 文化のデザイン
第9章 人間とは何だろうか?

著者等紹介

スキナー,B.F.[スキナー,B.F.] [Skinner,Burrhus Frederic]
1904年、ペンシルバニア州サスケハナ生まれ。アメリカの心理学者であり、行動の予測と制御を目的とした行動分析学の創始者。ミネソタ大学、インディアナ大学、ハーバード大学にて教鞭を執る。1968年、アメリカ国家科学賞を受賞。90年没

山形浩生[ヤマガタヒロオ]
1964年、東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。大手シンクタンクに勤務するとともに、幅広い分野で執筆、翻訳を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

里愛乍

28
自由と尊厳が最も人類の有り難がるものだと思われるのは、自由とは勝ち取るもの、尊厳とは己を信じた善行の末に得たものなどと人々はそういう物語要素を好みがち。しかし人はそれを超えたところで行動していると本書はいう。自由意志とはと問う前に環境の作用であるという説を踏まえれば、ドキュメンタリー的感動とはといいたくなる。だけどその環境とは?抑、人類にコントロールできるものなのか?この辺り生物学と同じく曖昧に感じられた。勿論私の読込不足も否めないところですが。再確認できる訳者あとがきが非常に助かりました。2018/10/22

テツ

21
人間の意思決定は自らの自由意志によってのみ為されるというのは思い込みであり、ほぼほぼ全てが環境により決定されるというお話。僕たち弱い人間が自らの自由意志のみで良い方向、望む方向に歩んでいくことなんてほぼ不可能な夢物語なのだから、望みに近づくような環境を整えその中で生きるべきということなのかな。意志の力、自由の尊さは理解しているけれど、それにきっちり沿えるようななるべく誘惑の少ない環境に身を置くことは大切だ。確かに強く美しい人間になるためにはそれを美徳としてくれる環境で生きることが一番の近道。2018/10/03

壱萬弐仟縁

11
尊厳を求めての闘いは、自由を求めての闘いと共通する部分が多い(75頁)。人間の尊厳は権利尊重ということだと思う。人々が働かないのは、給料が少なく、生活保護や贅沢のため。市民が法を守らないのは、法執行がいい加減だから(158頁)。文化は、新しい慣行がそれを実践する者たちの生存を促進する時に進化する(176頁)。文化の性質は、200頁~書かれている。文化は、安全で健康的な環境の維持を促す。文化には安定と変化が必要(201頁)。特に、健康と環境保全の相関は、人生経験上、実感される部分である。平和の文化に☆を。2013/05/25

月をみるもの

8
自由意思=因果律の破綻と言われて、なるほど、、とおもう。充足理由律( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%85%E8%B6%B3%E7%90%86%E7%94%B1%E5%BE%8B )を認めると、環境要因だけではどうしても説明・再現しきれない人間の行動があった場合でも、そこになんらかの「説明」が必用となる。そこで、「理由」として措定されるのが当人の「自由意思」。もちろん定義からして、入出力に関係ないブラックボックスなので、因果律からは外れたところにある。2021/01/06

たかね@心理学

5
「心」「意識」「気持ち」を行動の原因として持ち出すのはやめよう。欲望や感情がわいた【から】行動した、というのは幻想でしかないのだ。ヒトは誰しもコントロールを受けているが、それに気がつかないために自身が【自由】に行動しているように錯覚している。ならばどうすればよいか。以上の主張をスキナーが自身の立場から一般人に向けて伝えようとしたもの。訳者による本書の概略が、学習心理学をとても分かりやすく説明している。それは心理学の概論書を上回るほど。ただし「条件付け」「行動心理学」の記述は残念。2015/06/18

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