内容説明
低線量放射線が子どもたちにガンを引き起こす。子どもは成人に比べて3倍から10倍ほど放射線に敏感で胎児はさらに敏感である。とくにストロンチウム90は核実験や原子力発電所からしか生成されない人工放射性物質で、半減期は28.79年と長く、骨に蓄積し骨髄に浸透し、骨のガンや白血病などを発生させる、生物学的毒性が極めて高い物質である。本書は、平時においても原子炉の近くでストロンチウム90のレベルが上昇するときには、数年後に小児ガン発生率が増大すること、ストロンチウム90のレベルが減少するときには小児ガンも減少することを統計的に明らかにした衝撃の書。
目次
第1章 序章(埋もれた宝セントルイスの乳歯がみつかる;ガンの犠牲者は治療だけでなく原因究明を求めている)
第2部 核実験の放射性降下物(冷戦が市民と科学者を団結させた;初期における核実験からの死の灰とセントルイス乳歯調査;乳歯調査が冷戦さなかの政策に影響を及ぼす;セントルイス乳歯調査とその後の展開)
第3部 原発の放出放射能(原発が放射線の健康影響への関心を再燃させる;米国の原発が子どもの健康への不安をもたらす;米国の原発に「歯の妖精プロジェクト」が挑む;ニュージャージー州における歯の妖精プロジェクト;「歯の妖精プロジェクト」が巻き起こす反響)
第4部 乳歯調査のインパクト(乳歯調査―小児ガンとのつながりとそれがもたらしたもの)
著者等紹介
竹野内真理[タケノウチマリ]
1967年生まれ。東京学芸大学教育学部英語科卒。通翻訳者、フリーライター。元原子力資料情報室国際担当。現在は、「低線量被曝者の会」共同代表、また脱原発市民団体の「たんぽぽ舎」にて、脱原発世界署名の活動をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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