内容説明
子どもたちに教育を!人身売買、児童労働、カースト差別…貧困のネパールで、ゼロから学校づくりに挑んだ著者の涙と感動の20年の軌跡。
目次
第1章 旅立ち
第2章 混沌と貧困
第3章 子どもたちに教育を
第4章 学校をつくりたい
第5章 学びが始まる
第6章 運営の危機
第7章 自立へ
著者等紹介
吉岡大祐[ヨシオカダイスケ]
1976年愛媛県生まれ。その後鍼灸師の免許を得て、渡米しようとするが、22歳のとき“とりあえず”ネパールに渡る。現地の大学に入学後、余暇を利用して貧しい人たちを相手に無料で治療をおこない、王族の治療なども経験。その後、現地での小学校建設をこころざす。さまざまな困難に直面しながらも、3年間の活動を経て、2004年「クラーク記念ヒマラヤ小学校」を開校。現在は学校運営のかたわら、各地で講演などもおこなう。「21世紀若者賞」(社会貢献支援財団)「人間力大賞・準グランプリ」(日本青年会議所)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あすなろ
86
3つ下にこういう方が居るんだということに先ずは驚く。年納め本とした意図は、今年後半に心身疲弊気味となり、仕事という原点を見直してみたくなったから。そしてその原動力。ネパールを見つめ解け込み、自身が病に侵される迄一気に読みました。今すぐではないが、そろそろ得た学力や知識や仕事のスキルをどう還すのかは頭の片隅に置いておくのも悪くない年頃となったと今年は感じ始めた分水嶺的な年だったので、筆者の様や弱者女児にフォーカスして実現していく様に諸々の憂い想う気持ちが重なり一年を終えます。心の片付けですね。ジンと来ました2019/12/31
けんとまん1007
61
学校、学ぶこと。人は、学ぶことで明日への希望が湧き、次のステップに進む可能性が広がる。それは、100%ではないかもしれないが、0%ではなくなるということが重要なのではと思う。人は、何かの目標を持ち、関係する人が変わっていくことがわかると、それが大きなエネルギーになる。それは、人との出会いにもつながりうる。思いを持つこと、但し、相手にとってどこまでという距離感が難しい。環境作りも、どこまでやるか、どこから自発性に委ねるか。これは、いろいろな場で当てはまる。2020/06/01
いっせい
48
ネパールのことは、「エベレストがある国」という上っつらな面しか知りませんでした。今でも根強く残るカースト制度、貧困、児童労働の現実。それは、とても深い闇でした。 「命を守る為に、ネパールに学校を!」何度も挫折を繰り返しながらも、今、本当に必要な事は何なのかを冷静に見極めながらも、資金ゼロから学校創設、更に職業訓練までやり遂げた著者の情熱、行動力に感服致しました。先にウィグル地区の悲惨な人種差別を描いた漫画を読みましたが、他国で起きている悲惨な現状を知ることが、やはり大事だと思います。2019/09/08
かおりんご
39
2019年度の読書感想文課題図書だったので、手にしてみる。いやぁ、すごい行動力です。人のためにこんなに活動できるのが、素晴らしい。女子に教育を受けさせることは、発展途上国やイスラム圏の課題でもある。宗教を否定せずに、教育の大切さを伝えるのは並大抵なことではないだろうな。ボーダレス社会になってきたから、対岸の火事ではない問題だと思う。ユニセフ募金等の意義を見出すにも、よいきっかけになりそうな本であった。2019/12/08
プル
38
2019年高校課題図書。これを読んだ生徒達が、どんな感想文を書くのだろう…。読んでみたい!その感想文。将来ある人達がこの本を読んでどう受け止めるのか知りたい。著者がトライ&エラーを繰り返す中のエラーに、当人が気付かされたものも含まれている。それを失敗と思う感性が素晴らしいと私は思う。一方で教育ってある程度まででいいのでは無いのかなと思う。無理して高校や大学に行く必要はないと思うのに、昨今の日本、勉強したく無いのに皆が行くからと進学する。勉学に渇望しないその人達は、行かなくてもいいことも日本で認めた方がいい2019/08/27