出版社内容情報
かこさとし[カコサトシ]
著・文・その他
内容説明
かこさとし生誕92周年記念復刊!!幼い日々を過ごした、ふるさと福井県越前市での「遊びの記憶」をたどった名エッセイ!第23回日本エッセイストクラブ賞、第15回久留島武彦文化賞受賞作品。
目次
ささ舟さらさら―春の遊び(草のうた花のしらべ;練兵場のタンポポ ほか)
ほたるの唄―夏の遊び(夏草原の大立まわり;河原の魚とり ほか)
風とねこじゃらし―秋の遊び(緋いろ妖しきひがん花;誰そかけし草のわな ほか)
つららと霜やけ―冬の遊び(たそがれの祈りと願い;ガラス玉のおはじき ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツキノ
18
かこさとし生誕92周年記念復刊。価値ある復刊!ふるさと福井で子どもの頃遊んだ記憶を、できるだけ当時の自分に立ち返ってその心と立場から記したという。季節ごとのあそびを鬼ごっこの分類、父親の思い出(143p)、戦争ごっこについての教育者の間違った分析(164p)、あやとりの伝承(192p)など、かこさんならではの洞察が素晴らしい。2018/05/16
そうたそ
15
★★★☆☆ 自身の遊びの記憶を繙くかのように綴られたエッセイ集。豊かな自然に囲まれた子ども時代が想像できる素晴らしい内容。今となっては外遊びよりも室内遊びがメインになりかけているといっても過言ではないし、本書に書かれているような季節とともに移ろうような遊びは失われつつあるのかもしれない。その季節ごとに遊びの題材を見つけるというのもまた子どもにとってはひとつの学習であったのかもしれないと思う。随所に挿入される著者のイラストを見て、子どもの時に読んだ絵本を思い出し懐かしんだ。2018/05/28
てまり
1
昭和5年ごろ、福井で過ごした子供時代の遊び。子供というのはいろいろなところから楽しみを掘り出せるものだと感心する。野原、川、雪があれば遊びは無限。また、その遊び方は年長者や大人からの伝授を必要とするものが多く、この時代と取説やまとめサイトから情報を得られる今では先輩への敬意の持ち方は違ってくるだろうなと思えた。にしても、途中さらっと触れられる北陸の貧しさは衝撃だった。2021/11/08
滝原夏希
0
かこさとしさんの本で育った自分としては、もっとご活躍いただきたかったので訃報はショックだった。 これが最後のご本となる。 なつかしいイラスト。草花のあそび。すもうやなわとび、おにごっこ。笹の葉で船をつくって流したり。かげふみ、あやとり、雪遊び。幼い頃やった遊びの数々を思い出しながら郷愁のなかで読み進んだ。 かこさんのご幼少時代の思い出の中で感じられた「大人は子供の心を先回りしてよみとったように思っていてもそれはかえって子供をより一層つらい悲しい思いにつきやっていることが多い」に共感。自主性を育てるのが大事2018/07/16