怒れ!憤れ!

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  • サイズ B6判/ページ数 111p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784822248765
  • NDC分類 310.4
  • Cコード C0097

出版社内容情報


「ウォール街を占拠せよ」デモに代表される欧米の怒れる人々に火をつけたといわれているフランスで200万部を超えるベストセラー。「若者よ、無関心はいけない。怒りを持って行動せよ」と呼びかけたパンフレット。

著者は90歳を超えた元レジスタンス活動家のステファン・エセル。世界で不正義が横行しているなか、無関心でいる人々に対して、ナチに逮捕されて処刑される寸前に脱出した自らの若き日々を振り返りつつ、「世の不正義に目をつぶるな。行動を起こせ!」と訴えた32ページのシンプルな内容。

フランス国内で2010年秋に出版されると、若い人へのクリスマスプレゼントしてベストセラーになった。ドイツ、イタリア、スペインなど債務問題で揺れる国々へ波及し、欧州全域で300万部を超えた。

「戦後、フランスは社会保障制度や年金制度を創設し、特権者を排除した民主主義の理念を掲げたが、いまや社会保障制度はぐらつき、利益追求が横行し、報道の自由や教育の機会均等が脅かされている。

レジスタンスの動機は怒り。自由が回復した戦後になっても、フランスが植民地アルジェリアの民族独立を封じ込めようとしたアルジェリア戦争、社会主義を掲げながら自国や東欧を抑圧したスターリンの独裁政治など、怒りの種は尽きなかった。

いまの世界は相互依存が強く、わかりにくくなっているが、それでも容認できないことはたくさん存在する。貧富の格差拡大、人権、地球環境など、世の矛盾や不正義は周囲を見回せばいいっぱいある。だから、若者よ、怒れ!憤れ!」

エセルさん本人は、いまもパレスチナ問題の不正義に怒り、非暴力での解決のため奔走している。

内容説明

若者よ、無関心はいけない。怒りを持って行動せよ。欧米の怒れる人々に火をつけたといわれている活動家の回想記。

著者等紹介

エセル,ステファン[エセル,ステファン][Hessel,St´ephane]
1917年、ユダヤ人作家・翻訳家の父フランツ、画家ヘレンの下にベルリンで生まれる。一家は24年パリに移住。39年エコール・ノルマル(国立高等師範学校)に入学するが、戦争で学業を中断。41年ドゴール将軍率いる自由フランス軍に参加、防諜情報局で働く。44年3月末、密かにフランスに潜入。同年7月、ゲシュタポに逮捕され、強制収容所へ。絞首刑になる寸前、機転を利かせて切り抜け、脱走に成功。46年、外交官となり、国連の世界人権宣言起草に参加

村井章子[ムライアキコ]
翻訳家。上智大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

122
90歳を超えた元レジスタンスの闘士の厳しくも温かなメッセージ。著者のステファン・エセルはユダヤ人でナチスの強制収容所から逃げだした経験や、国連の世界人権宣言の起草に参加した経験も持っている。自分たちを押し潰そうとする国家や利益至上主義の企業とは、怒りを持って徹底的に戦うべきというのがエセルの基本的な主張だ。もちろん暴力は否定している。一番印象に残ったのは、エセルが社会的な弱者への思いやりを忘れていない点だった。彼はパレスチナの難民の救済に携わっている。読者を励まし、勇気づけてくれる良書だった。2015/08/18

ムッネニーク

82
3冊目『INDIGNEZ-VOUS! 怒れ!憤れ!』(ステファン・エセル 著、村井章子 訳、2011年12月、日経BP社) 元自由フランス軍の諜報員で、戦後は外交官として世界人権宣言の起草にも携わった作家ステファン・エセルが、今を生きる若者に向けて送った檄文。 厳しい装丁だが、内容は短くシンプルなのですぐに読めてしまう。 ”怒りこそが原動力”だというのはジョン・ライドンも歌っているし、確か寺山修司も似たようなことを言っていたような気がする。 〈創造は抵抗であり、抵抗は創造である〉2024/01/11

livre_film2020

39
ラ•フランス!という感じの文章。若者たちに向けて、今の社会で本当にいいのか、立ち向かえ!と主張する檄文。内容はいかにもフランスのインテリ。共和主義かつマルクス主義。本書はフランスからの見方で事実が書かれており、鵜呑みするのは少々危険。例えば、アルジェリアの独立。彼らはフランスから独立する際にフランス語を使用した。エセルは触れていないが、何たる皮肉か!独立するにあたって宗主国の言語を使わなくてはならないとは。これはフランスが「文明化」と呼んだ民族浄化の表れだ。権力の暴力に抗うのなら言語もまた然りだ。2022/09/10

松本直哉

30
原題は Indignez-vous! 。Indignation という語は尊厳(dignity) の失われた状態への怒りで、義憤とでも訳そうか。逆説めくがそれは静謐と明澄さを前提とする。人間の尊厳への洞察と回復への希望なしには成り立たないだろうから。瞬間湯沸かし器的な激昂ではなく、持続する意思。対独抵抗運動から90代の今まで怒りを持続してきた著者のように。SNSで流れてくるハッシュタグに脊髄反射で反応したような怒りばかりがあふれかえるこのごろ、SNSを閉じて、静かに考え、怒るように招かれていると思った。2021/03/22

白義

8
反ナチスのレジスタンスにして戦後は外交官、世界人権宣言の起草にも加わり、生涯を通して全ての全体主義と闘ってきた…ととにかく圧倒されるようなじいさんが、お前らはもっとこの糞みたいな世界にキレていいのだと語りかける、劇烈なアジ文。単に煽っているだけではなく、たっぷり一世紀の年月を経た一つの精神が、歴史的大河となった自由の精神史にアンガージュマンすればいいと語りかけてくる気持ちのいい本でもある。お上や世間の決めたことならとりあえず尊重すべきという漫画みたいな人間がまだ多いこの社会、今本書は必読だ2012/09/20

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