マリー・キュリーの挑戦―科学・ジェンダー・戦争 (改訂)

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マリー・キュリーの挑戦―科学・ジェンダー・戦争 (改訂)

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  • サイズ A5判/ページ数 212p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784798701622
  • NDC分類 289
  • Cコード C0023

出版社内容情報



序―マリー・キュリーが投げかける問い―



1 少女の怒り

四つの要素/喪われた祖国/少女マリアの夢/「女らしさ」を超えて/答えの出ないジレンマ



2 三つの恋の物語

悲恋に耐えて/故国を捨てた恋/尊敬と愛情/ピエールの突然の死 /予期せぬ不倫/年下の男/「ランジュヴァン事件」と二度目のノーベル賞/数奇な運命/たたずむ男の想い



3 ノーベル賞を有名にしたもの

ノーベルの遺言/格好の受賞者/年を取らないともらえない?/国と国との競争/科学者たちの縄張り争い/悪用された成果



4 墓はなぜ移されたか

パンテオンに眠る最初の女性/墓を移す/フランスの自負/原子力政策とのつながり



5 誤解された夫婦の役割

「理性的な男/感情的な女」というステレオタイプ /「頭脳はピエール、肉体労働はマリー」ではない/ウラン放射線と出会う/徹底した定量実験/新元素を取り出す/賞賛の裏側/原子の意味を変える



6 二つの祖国のために

マリー、戦場を駆ける/戦争と女の関係/悲願のポーランド独立/マリーの戦争観



7 ピエール・キュリーの「個性」

脇道を行く/ピエールの結婚観/自分たちに合った結婚生活/いやいやながらの選挙運動/「負け犬」の崇高な野心



8 科学アカデミーに拒まれた母と娘

女性会員はいない/もう一人の候補者/政治と宗教のねじれた関係/怒りと抵抗/娘イレーヌの闘い



9 変貌する聖女

書き変えられる伝記/見かけだけの平等/第二波フェミニズム運動/新しい伝記への批判



10 マルグリット・ボレルとハーサ・エアトンとの友情

シスターフッドの価値/女が男の所有物だった時代/キュリー母娘を助ける



11 放射能への歪んだ愛

見過ごされた放射線の害/夫妻の症状/広がる犠牲者/甘く見積もられた危険性/「薬は毒」



12 アインシュタインの妻

恋に落ちた留学生/アインシュタインの家族/ミレヴァの母性/「そこそこ」の美人という条件/潰されたキャリア/離婚、そして死まで



13 リーゼ・マイトナーの奪われた栄光

忘れられた「原爆の母」/裕福なユダヤ人の娘/逆境の中で/「淑女」という鎖/ついにポストを得る  プロトアクチニウムの発見/孤独な亡命者/核分裂の発見と証明/ノーベル賞を獲りそこなう/名誉は回復されたが



14 放射線研究に斃れた日本人留学生

ラジウム研究所への派遣/命を縮めた研究/誇るべき日々/近代日本が見た夢/女の一生/女性の生き方の変化/放射能を帯びたパスポート



15 「偉大な母」の娘たち

正反対の姉妹/父親の死と祖父の影響/幸せでなかった少女時代/「粗野な」イレーヌ、「エレガントな」エーヴ/それぞれのノーベル賞



16 キュリー帝国の美貌のプリンス

映画スターに比せられた科学者/キュリー夫人の驚愕/二つの姓を持つ/フレデリックの才能と努力/政治的な闘い



17 湯浅年子の不屈の生涯

日本初の物理学専攻女子学生/「ジョリオ先生」の弟子/戦火を縫って/日本では研究ができない/結婚の条件/大いなるロール・モデル



18 キュリー夫人とモードの歴史

青いウェディングドレス/女性ファッションの激動期/簡素な服装とスポーツの奨励



19 「完璧な妻、母、科学者」という罠

なぜアメリカで歓迎されたのか/ジェンダー・バイアス/「女中」の存在/同業者カップルの困難/何を学ぶべきか





あとがき



改訂版に際してのあとがき

川島 慶子[カワシマ ケイコ]
川島慶子(カワシマ ケイコ)

1959年神戸市生まれ。京都大学理学部地球物理学科卒業。東京大学理学系大学院を経て1989年より2年間、パリの高等社会科学学院に留学。専門は18世紀フランスの科学史。ジェンダーの視点を取り入れた独自の研究が注目を浴び、国際的にも活躍する。現在、名古屋工業大学教授。著書に『エミリー・デュ・シャトレとマリー・ラヴワジエ――18世紀フランスのジェンダーと科学』(女性史青山なを賞受賞、東京大学出版会)など、論文「マリー・キュリーにとっての戦争、革命」(「女性研究者の特性とリーダーシップ」研究報告)ほか多数。

内容説明

ひとりの女性として浮かび上がる、マリー・キュリーの素顔とその時代。偉大な科学者にして良妻賢母の伝説を打ち破り、巧みな筆で描き出す。結婚と死別、家族と戦争、アカデミーとの闘い、不倫事件、放射能の栄光と悲惨―、彼女が直面したのはすべて現代の問題なのだ。多くの紙誌で好評をえた初版(2010年刊行)に、新たな発見や福島第一原発事故への思いもこめた改訂版。

目次

少女の怒り
三つの恋の物語
ノーベル賞を有名にしたもの
墓はなぜ移されたか
誤解された夫婦の役割
二つの祖国のために
ピエール・キュリーの「個性」
科学アカデミーに拒まれた母と娘
変貌する聖女
マルグリット・ボレルとハーサ・エアトンとの友情
放射能への歪んだ愛
アインシュタインの妻
リーゼ・マイトナーの奪われた栄光
放射線研究に斃れた日本人留学生
「偉大な母」の娘たち
キュリー帝国の美貌のプリンス
湯浅年子の不屈の生涯
キュリー夫人とモードの歴史
「完璧な妻、母、科学者」という罠

著者等紹介

川島慶子[カワシマケイコ]
1959年神戸市生まれ。京都大学理学部地球物理学科卒業。東京大学理学系大学院在学中に1989年より2年間、パリの高等社会科学学院に留学。専門は18世紀フランスの科学史。ジェンダーの視点を取り入れた独自の研究が注目を浴び、国際的にも活躍する。現在、名古屋工業大学教授。一連の業績により2010年度の山崎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。