内容説明
ただひたむきに木と対話する。そこに浮かび上がる、自然との関わり、道具への偏愛、スローライフの哲学、手仕事の喜び―ノルウェーの伝統的な薪焚きの技術と精神を伝える薪と人の物語。英“The Bookseller”誌2016年最優秀ノンフィクション大賞受賞。
目次
寒さ
森
道具
薪割り台
薪棚
乾燥
ストーブ
炎
著者等紹介
ミッティング,ラーシュ[ミッティング,ラーシュ] [Mytting,Lars]
1968年、ノルウェー南部ギュブランスダーレンのフォーヴァング生まれ。ジャーナリスト、編集者として出版社勤務ののち、現在は専業作家。2011年に刊行した『薪を焚く』で2016年に英“The Bookseller”誌による年間最優秀ノンフィクション大賞受賞。続けて発表した小説『Svom med dem som drukner(溺れし者と泳げ)』(2014、ノルウェー本屋大賞受賞)もノルウェー国内でベストセラーに
朝田千惠[アサダチエ]
1973年生まれ、大阪外国語大学(スウェーデン語)卒。大阪大学外国語学部非常勤講師(ノルウェー語)、翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くさてる
23
世には燃える暖炉の動画を延々映しだしているだけの番組もあって、しかもなかなかの人気だそうですが、この本を読んでいるときの私の気分もそんな感じ。もともと関心はなく、意味もよく分からないような、薪に適した木の品種やチェーンソーのブランドなどの紹介も多い、まさに「薪を焚く」に特化した内容なのに、不思議な面白さに満ちているのです。こどものころに薪で燃える火を眺め続けた記憶が思いだされました。2020/05/20
a*u*a*i*n34
12
傑作です。薪を焚くことに関するネタだけで作品が成立することはキャンプ好きとして想像はついていましたがここまでとは。北欧には、薪の量を表すオリジナルの単位があったり、薪の積み方で男の品定めする習慣があったり。手元に置いて長い夜にまた読みたい一冊です。プロローグとエピローグがまた秀逸。マイ殿堂入り。2023/10/21
DEE
11
木を切り薪を作り、それを燃やして暖を取るための教科書的な内容。 チェーンソーのメーカーや斧の形状、樹種ごとの燃焼価値など、日本で気にする人はごく少数だろう。この本にはそういうことが詳しく書かれていて、実生活で役立つことはないだろうけど、なぜかとても面白い。薪を作る薪人の哲学と愛情がとても深く感動的ですらある。 中には燃やすためなのか美しい薪棚を作るためなのか目的が分からなくてなっちゃっている人もいるけど。 人間は究極的に火、川、石のどれかに魅かれるそうだ。そんなこともこの本の面白さに一役買っているのかも。2020/01/26
MICKE
9
ただの実用書ではない、薪を焚く物語。たとえ薪ストーブがなくても、斧が欲しい、薪割りがしたくなる。2020/05/16
100名山
8
山歩きをしているので焚火、山小屋での薪ストーブに馴染みはあるし、将来的には山間への移住も考えているので手に取りました。冒頭から実に面白い。実用書であり、美術書であり、そして完璧な文学作品です。途中で薪ストーブと暮らす知人にも電話をかけ盛り上がりました。知識を得られて笑えて泣ける本でした。2020/02/02