目次
1 腹から声を出す
2 あこがれに浮き立つ
3 リズム・テンポに乗る
4 しみじみ味わう
5 季節・情景を肌で感じる
6 芯が通る・腰肚を据える
7 身体に覚え込ませる・座右の銘
8 物語の世界に浸る
著者等紹介
斎藤孝[サイトウタカシ]
1960年、静岡生まれ。東京大学法学部卒。同大学教育学研究科博士課程をへて、現在明治大学文学部助教授。専攻は教育学、身体論。『身体感覚を取り戻す』で2001年度、新潮学芸賞を受賞した
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mint☆
138
再読。久しぶりに読み始めたのは実は去年の夏。自粛期間中に家族から「人と話す機会が減って口周りが衰える」と言われ、これならどうだと久しぶりに家族みんなで回し読み。声に出すのも楽しいけれど、古典の楽しさにも気付かされた。これがきっかけで夏目漱石の言葉の選び方に興味を持ち、時々読むようになりました。黙読するのと声に出すのとではやっぱり違う。難しくて読みにくい文章がバチっと読めると気持ちがいいです。2021/03/03
月讀命
86
10年くらい前に読んだ再読。『声に出して読みたい日本語』を今回は声を出さずに黙読した。音読すると心に響くのは確かだが、時間がかかってしまうという欠点がある。この本は絶えず手元に置いて、気に入った文章を味わいたい時に、徐に手に取って音読するのが良いと思う。腹の底から声を出す。あこがれに浮き立つ。リズム、テンポに乗る。しみじみ味わう。季節情景を肌で感じる。芯が通る・腰肚を据える。身体に覚え込ませる・座右の銘。物語の世界に浸るがポイントだ。私達は、日本人しか使わない(使えない程、奥の深い)日本語を大切にしたい。2014/01/11
カピバラ
62
「初恋」がたまらなく好き。平家物語の冒頭も好き。草枕も好き。いろんな言葉があるけど、五七調のリズムは日本人のDNAに刷り込まれているんだろうな。2016/04/26
ばりぼー
47
暗唱朗誦を狙いとして編集された名文集。「腹から声を出す」…『平家物語』。「あこがれに浮き立つ」…『石川啄木歌集』。「リズム・テンポに乗る」…落語『寿限無』。「しみじみ味わう」…『方丈記』。季節・情景を肌で感じる」…『小倉百人一首』。「芯が通る・腰腹を据える」…世阿弥『風姿花伝』。「身体に覚え込ませる・座右の銘」…『いろはかるた』。「物語の世界に浸る」…川端康成『伊豆の踊り子』『雪国』などが印象的。「子どもの頃に名文と出会い、それを覚え、身体に染み込ませることは、その後の人生に莫大なプラスの効果を与える。」2018/02/07
あつこんぐ
37
図書館本。『にほんごであそぼ』が好きなので手に取りました。そして、この本を読むと「あー、確かに齋藤先生が作った番組だ」と納得します。「いろはかるた」に江戸版と京都版があるとは知りませんでした。先生の解説もわかりやすく、所々小さな声でブツブツと音読してみましたが大人になると照れがありなかなか大きな声で読めませんね。でも、歯切れが良い文は声に出して読むとスッキリします。今年は浄瑠璃や歌舞伎に通ってみたいと思います。2018/02/06