出版社内容情報
鶴岡真弓[ツルオカマユミ]
著・文・その他
内容説明
歴史、神話、芸術、英雄、女神、季節祭、コミック…魂のリヴァイヴァルまで。ケルト文化の全貌。ヨーロッパの「古層文化」を築き、現代まで息づくケルトの強力な想像力。自然の精霊に耳傾ける神話伝説、世界の美書『ケルズの書』の装飾、少数の力で世界を魅了し躍動させる発想。その螺旋的に循環する生命観に圧倒されない者はいない。汲み尽せぬ「創造の源泉」の謎に、第一人者が挑む。
目次
序章 ヨーロッパの根源を問い直す―ケルト文明とはなにか
第1章 『ガリア戦記』を越えて―古代フランスのケルト
第2章 ケルトの自然信仰―暦の知恵
第3章 動物という神々―生きとし生けるものの精霊
第4章 語りつがれてきた「ドルイド」―古代ギリシアから近代の「高貴なる野蛮人」まで
第5章 英雄と剣の生命循環―神話・伝説の深層
第6章 『ケルズの書』とケルト修道院―装飾と霊性のミクロコスモス
第7章 ケルト文化圏の伝統―旅・音楽・映画・デザイン
第8章 ケルト・リヴァイヴァル―「北方」の発見
終章 国民国家の表象
著者等紹介
鶴岡真弓[ツルオカマユミ]
ケルト芸術文化史、ユーロ=アジア造形表象学専攻。早稲田大学大学院修了。ダブリン大学トリニティ・カレッジに留学。多摩美術大学芸術人類学研究所長・芸術学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
75
大陸(フランスなど)と島(アイルランドなど)のケルト文化について過去から現在まで網羅した本。大陸のケルトのフランスでの人々をガリア人と言うが、タバコのゴロワーズのデザインはガリア魂であったとか中世美術の美しい写本であるアイルランドのケルズの書など。フランク・ロイド・ライトやマッキントッシュとケルトとの関わりなど興味深い。2018/05/23
めめ
1
ケルトと言えばエンヤの音楽とか妖精物語など、アイルランド特有かと思っていた。ケルト文明の発祥の地はオーストリアのハルシュタットと知る。範囲が広いのねと驚いた。アルプス、ライン、ドナウなどの地名はケルト語が語源だそう。ラテン語とケルト語ってどちらが古いのかしら、と思いつつ調べるのは後回しに。私の故郷の、太宰府の鐘や金印なども出てきて興味深かった。ジャックアタリの言葉の引用や、ウィリアムブレイクのドルイドなど、知ってる事が書かれてると嬉しい。でも知らない事の方が多くて、読んでいてとても面白かったです。2021/11/23
Masako3
1
★☆☆ ご専門は美術なのかな?ケルトというテーマで神話や芸術を色々語っている.ただ,考古学的根拠が薄い事はまだしも,近年の汎ヨーロッパ思想を後押しするケルトリバイバルをきちんと紹介しながら,ケルトと無関係のファンタジーや個人の思い入れなどが混在し,完全にテーマを見失ってしまった.途中で挫折、ごめんなさい.2021/04/04
owlsoul
0
「ケルト人」とは、人種ではなくケルト語を用いてきた文化集団を指す言葉である。「大陸のケルト」ガリアは、前51年にカエサルのガリア征服によってローマの支配下に置かれた。ガリアは言葉も習慣もローマ化されたが、ガリア征服の遥か前から島へと渡っていたケルトの末裔は、アイルランドやスコットランドに「島のケルト」ヒベルニアの文化を継承し、今日に至る。文字を持たなかったケルト人は、ローマ人の書き残した歴史によって野蛮人として記録されたが、現代ではヨーロッパ文化の基礎として、またファンタジーの源泉として再評価されている。2021/02/13
gkmond
0
グルメが手料理振る舞ったら素材はいいのに味がひどかった、みたいな本。青土社の編集の力量に疑問符がついた。どこを開いても駄文だが、ケルト自体には魅力があるんだろうなと推察することはできた。すでに知識があって話し相手に恵まれない人の暇つぶしにはいいだろう。おれは文章にげんなりした。別の本を読もうと思う。2020/11/01