内容説明
多様な民族・言語・生態環境をもつアフリカが体系的にわかる入門書。アフリカの経験してきた過去・困難・絶望のなかから、アフリカの潜在力を描きだし、人類社会の希望と可能性を展望する。
目次
第1部 多様性を学ぶ(民族と文化;言語;生態環境;生業)
第2部 過去を学ぶ(人類誕生;古王国;奴隷交易;植民地支配と独立)
第3部 同時代性を学ぶ(ポピュラーアート;ライフスタイル;結婚と家族;宗教生活)
第4部 困難を学ぶ(政治的動乱;経済の激動と開発援助;自然保護と地域住民;感染症)
第5部 希望を学ぶ(在来農業;相互扶助;紛争処理;多文化共生)
著者等紹介
松田素二[マツダモトジ]
1955年生まれ。ナイロビ大学大学院修士課程修了(社会学)。文学博士。京都大学大学院文学研究科教員。専攻は社会人間学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ckagami
3
面白く読んだ。2014年の本なのでもう変わっている点も多いだろうが、生活の身近な点から歴史、紛争解決、経済、絶望と希望まで。序文が熱い。アフリカを学ぶ、ではなくアフリカに学ぶ。在来や流動性などがキーワード。2021/01/29
イッコーマン
1
2周目。一見堅い専門書のように思われるかもしれないが、アフリカに関しての知識が全く無い素人でも読めるアフリカ入門書。内容はアフリカ経済・歴史・自然など包括的で、各章も短めで非常に読みやすい。2020/05/14
こずえ
1
アフリカについて勉強するときの第一歩としておすすめの本。いろいろな学者が自分の分野を説明している浅く広くって感じの本。
watershed
1
面白かったところ 1ポピュラーアート。語りの技にスポットを当ててアフリカ文化の特性を解説。これがヒップホップの土台になっているとわかる。 2ライフスタイル。携帯電話が親族間の連絡手段、職探し、送金、さらには恋愛ツールとして社会に瞬く間に浸透する様子はダイナミック。 3自然保護。象の保護が人びとから狩猟を奪い、ゾウによる農作物被害をもたらす。 4紛争処理。南アでは裁判ではなく、加害者の公での自白と特赦とその記録が紛争解決、社会の平和への移行に利用された。2018/02/20
の
1
救済・援助や資源供給地としてのアフリカ認識を刷新し、現代アフリカの成長や潜在力を明らかにする本。奴隷貿易や植民地支配、独立後の紛争といった絶望を耐え、現在のアフリカ諸国は経済成長率年5%を超える成長社会となっている。古代アフリカは金を産出し、ヨーロッパと中東を介する大交易国だったのだから、潜在成長率は非常に高い。携帯電話の登場で起きた情報革命が最新のライフスタイルをもたらし、農業も最新のものなのだが、それらはアフリカの伝統的な様式の中で行われている。温故知新。2014/05/13