目次
1 学校の運動部活動における体罰の問題点と課題(スポーツにおける暴力とは何か;判例から見た体罰の定義とその罰則;体育・スポーツ行政から見た運動部活動の問題と課題)
2 スポーツにおける暴力と選手・子どもの人権の課題(人権に配慮あるスポーツ環境の構築めざして;柔道女子トップアスリートの悩みと苦しみ;スポーツにおける暴力・セクハラ・パワハラの法的諸問題)
3 暴力の克服をめざすスポーツ指導者の経験から(運動部活動を教師のものから生徒のものへ変えよう;「甲子園塾」の取り組みの経験;橋下氏の介入を打ち破った!)
特別対談 トップアスリートを育てる指導とは(指導者はどう変わるべきか;暴力のない新しいスポーツ界を;ダイバーシティ・マネージメントをスポーツに)
著者等紹介
森川貞夫[モリカワサダオ]
市民スポーツ&文化研究所代表。日本体育大学名誉教授、前日本スポーツ法学会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kenitirokikuti
7
2013年刊行。ロンドン五輪の前後に、柔道女子ナショナルチームの強化選手から監督の暴力行為やハラスメントに対する告発がなされた。記事によると、選手たちの一人称はそろって「自分(じぶん)」、そして告発相手の指導者を「先生」と呼ぶ。「自分」は陸軍言葉に由来してそう▲中高の部活における「暴力」について。高野の審議委員長は言う。まず生徒指導の場で暴力が発生する。教員がやる気のない反抗的な態度の生徒に怒りをぶつける。それを見た生徒たちは、下級生へ同じことをする。はみ出し者にはヤキを入れてよい、と理解するのだ2018/02/10
小島輝彦
4
大切な問題提起。まず事例を知り、自分を振り返ることが大切なことであり、その意味では、この本は有益だと思う。また、「暴力はいけない」という基本的なことを、しっかりと書いてくれている。ただ、「暴力はいけない」というところまでで思考が終了してしまえば、その先の変化はない。各々の立場や状況の中で「では、どうしたら良いのか?」を考える力が求められると思う。それから、被害者へのサポートが必要であるとともに、被害者を生まないために、その暴力当事者を支えるサポート、環境も必要だと思う。
いまにえる
0
体罰は暴力であり、法的に禁止されているという認識をどこかで持っておく必要がある。サバイバーがさらなる厳しい指導を行い、それに対して不満を持つものは、そもそも競技を辞めてしまうなどしてアンケート結果などに出てこないのだろうなと思う。軍隊的、勝利至上主義的スポーツだけでなく、楽しむスポーツの存在をもっと小さい頃から知らせていくべきである。「指導者」には「親」の視点の欠如が見られるという指摘は正鵠を射ていると思った。「指導者」に女性が少ないことがこうしたことを生み出したのだろう。ジェンダーギャップも楽しいスポー2017/12/19
Mimuchi
0
橋本市長の決めつけの部分が面白かった。スポーツから暴力がなくなることを祈る2013/12/16