出版社内容情報
研究史上の“些事”にこだわり、
一対一に見える源泉に含まれる
“見えざる接点”の深層を可視化する試み。
漱石に関する比較文学研究で大きな足跡を
残す著者、晩年の論文集成。
再び新風景が!
主な目次
第一章 自己流〈比較文学〉と漱石研究
1 私の〈比較文学〉入門から海外における
「方法論」論争まで
2 「事実主義」の重要性
──島田 厚「漱石の思想」の一節を例として
3 『文学論』における「暗示」
第二章 食材としての孔雀──漱石における想像力の一面
1 迷亭の「年始状」
2 「孔雀の舌」の周辺
3 「孔雀の料理史」
4 「羅馬人」の「秘法」── 「入浴」「嘔吐」について
6 フラミンゴの舌と孔雀の舌
7 『猫』と『漾虚集』とを繋ぐもの
──テニソン、モンタージュ的手法、借用と改変 ほか
第三章 『吾輩は猫である』とその周辺
1 『吾輩は猫である』と「カーテル、ムル」
2 漱石とホフマンとの接点
3 『猫』と『ムル』との接点としてのブランデス
6 「吾輩」と “we”
7 “regal we” とシェイクスピアの歴史劇と
11『猫』におけるウィリアム・ジェイムズ (1?3)ほか
第四章 『猫』における「自殺」と「結婚の不可能」
──G・ブランデスを手掛かりとして
1 「寒天」的半透明感から自殺談義へ
2 「自殺を主張する哲学者」
4 『オーベルマン』と「文学における自殺の病的な流行」
5 「自殺」と「解放」
6 「個性の発達」と「結婚の不可能」
9 『デルフィーヌ』とスタール夫人の「非結婚論」
10 「吾輩」の水死と「不対法」の終焉 ほか
第五章 漱石とレズリー・スティーヴン
── Hours in a Library を中心に
2 漱石のデフォー論とスティーヴン──漱石の記憶違い
3 漱石のポープ論とスティーヴン
──姿を見せないスティーヴン
4 『吾輩は猫である』におけるスティーヴン ほか
第六章 『ハイドリオタフヒア』とその周辺
1 三四郎と『ハイドリオタフヒア』との出会い
2 「寂寞の罌粟花を散らすや……」の出典
── 研究史概観
4 テーヌ『英文学史』と漱石
6 視覚化された「メメント・モリ」
── ホルバインと『ハムレット』
7 『三四郎』における「死」への眼差し ほか
第七章 『文学論』本文の検討
2 「文学的内容の形式」と「文学的内容の基本成分」と
3 「(文学的内容の)形式」とは何か
── “form”と“formula”
4 漱石自身が“Form”を用いた可能性
6 『文学論』冒頭の命題と漱石の不満
7 「(F + f )」、ジェイムズ、およびフェヒナー
8 『文学論』における数式へのこだわり
9 「Lives of Saints」とは何か ほか
注
主要参考文献
あとがき
索引
塚本 利明[ツカモト トシアキ]
著・文・その他
内容説明
研究史上の“些事”にこだわり、一対一に見える源泉に含まれる“見えざる接点”の深層を可視化する試み。漱石に関する比較文学研究で大きな足跡を残す著者、晩年の論文集成。
目次
第1章 自己流“比較文学”と漱石研究
第2章 食材としての孔雀―漱石における想像力の一面
第3章 『吾輩は猫である』とその周辺
第4章 『猫』における「自殺」と「結婚の不可能」―G.ブランデスを手掛かりとして
第5章 漱石とレズリー・スティーヴン―Hours in a Libraryを中心に
第6章 『ハイドリオタフヒア』とその周辺
第7章 『文学論』本文の検討―冒頭の一句、および「Lives of Saints」を中心に
著者等紹介
塚本利明[ツカモトトシアキ]
1930年東京に生れる。現在、専修大学名誉教授、日本比較文学会評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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