ただの黒人であることの重み―ニール・ホール詩集

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  • サイズ B40判/ページ数 127p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784779123849
  • NDC分類 931
  • Cコード C0098

内容説明

黒人差別の苦痛をえぐる詩人の叫びが、移民排斥・ヘイトスピーチで揺れる現代日本に、差別意識や偏見と向きあう覚悟を問う!

目次

ただの黒人であることの重み
彼のシャツ
歴史
山の頂
恐ろしいほどの沈黙
私の名前
詩人の祈り
血に汚れた我らが手
ニガーのお医者さん
虚飾〔ほか〕

著者等紹介

ホール,ニール[ホール,ニール] [Hall,Neal]
コーネル大学卒、ミシガン州立大学医科大学院修了。ハーバード大学医学部を経て、開業医として診療しつつ詩を作り始める。既刊の詩集がアメリカ国内で高く評価されると同時に、世界各地で詩作や朗読を行うなど、国際的に活躍する新進気鋭の詩人

大森一輝[オオモリカズテル]
北海学園大学人文学部教授。アメリカ黒人史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KI

39
僕らが耳を傾けなければいけないものは電波に乗って聞こえてくるナレーターの声じゃなくて、彼らの生の声なんだ。2020/06/28

Y2K☮

36
東京五輪も去年のGW10連休も迷惑でしかない。ただ忙しくなるばかりで収入が増えるわけでもない。休日だ祝日だ大型連休だとヘラヘラしている奴らは、自分たちが休んでいるのに駅やスーパーやデパートやレストランで人が働いているのを不思議に思わないのか? 普段真面目に働いているから休むのは当然の権利とでも? じゃあ皆が皆おまえらみたいに祝祭日のたびに休んだら社会がどうなるか考えた事があるか? この詩集に込められている白人への怒りに最も近いと思しき感情を自分の中から取り出してみました。誰からも感謝されぬ人たちに感謝を。2020/01/19

Y2K☮

35
今月のポエム。読みながらコーマック・マッカーシー「ブラッド・メリディアン」を思い出した。あれは原住民の話だけど、マニフェスト・デスティニーの身勝手さと野蛮さ、残酷さがここにも。自由の国、世界の警察を標榜するアメリカのホロコースト。そしてこれは他人事じゃない。訳者あとがきにある通り、この国では日本人が「白人」なのだ。中国や韓国の人に関して云うと、文化や常識、歴史観の違いなど、どうにも相容れぬ点はある。そこは無理に受け入れなくていい。ただ尊重しよう。言葉や暴力で侮辱するのはやめよう。それが多様性認識の第一歩。2018/03/06

テツ

21
虐げられ搾取されてきた歴史がある人種に生まれついた瞬間にそれは良くも悪くもアイデンティティとなる。誇りにも劣等感にもなる生い立ちというものに人種的な事柄もプラスされてしまう。歴然とした差異はある。個人間にも人種間にもそれは絶対に存在する。しかしそれは上下関係ではなくただ異なるというだけのこと。いつの日にか全ての人間が優越感も劣等感も己個人だけに帰属した思いとしてだけ感じられる日が来るように。生まれも育ちも歴史も誰の上にも影を落とさない日が来るように。祈りと嘆きの日々は続く。2018/05/07

タカラ~ム

15
アメリカにおいて黒人差別の問題は過去から連綿と続く負の遺産である。『遺産』としてしまっては不適切かもしれない。それは、今でも根深くアメリカに存在しているのだ。本書はそのことを強く訴えているように思える。『ただの黒人』というレッテルは、黒人が自ら望んで名乗るものではなく、白人によって貼られたもの。様々な場面で、黒人、有色人種の力を必要としながらも、差別的な意識は変えられない人々。ひとうひとつの詩篇に込められた言葉は、白人たちへの呪詛でもあり、差別のない世界への願いでもあり、誓いでもある。2018/02/26

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