出版社内容情報
新渡戸稲造は、世界平和を構築するために
1920年に組織された世界最初の国際機関である
国際連盟において日本人第一号の国際公務員として、
激動の時代に輝かしい功績を残した。
その新渡戸は、むしろ「日本人らしさ」を
強烈な個性として前面に出して国際社会で活躍し、
評価を得た。
38歳で『BUSHIDO: The Soul of Japan(武士道)』を
出版したが、ここで描かれる「日本の魂」も、
世界のコンテクストの中で語られた。
「ふつう」「通常」が通用しない国際社会で、
新渡戸の生き方はテキストになる。
本書は、これから活躍する若者たちに向け、
国連・世界保健機関(WHO)で15年活躍した著者が語る、
ひとあじ違う新渡戸の評伝である。
「to beというのはto doというよりも
はるかに重んずべきものぞ。
汝、善なるべし、しかして汝のなすところ皆善なるべし」
→これを著者の言葉で言うと
《何を成すかではなく、どういう人間であるべきか》が
人生ではまず問われるべきである……
新渡戸は人生後半で順風満帆とは行かなくなり、
日本は国際連盟を脱退、戦争への道を突き進むことに
なった。新渡戸のその陰の一面も正面から取り上げ、
彼が経験した一連の出来事の背景と歴史的意味を考える
こととなる。政治家も知識人も国民も、
大きな時代の流れを止めることができなかった、
という、いまに通じる当時の情勢を検証し、
今後のよりよい転換に本書が役立つのであれば……
と考えます。
内容
プロローグ 日本人らしい振る舞い
第1章 国際連盟誕生のあかつき
第2章 国際社会への助走
第3章 新渡戸稲造と国際連盟
第4章 国際連盟退官後の新渡戸稲造
第5章 グローバル社会で活躍できる人を育むために
玉城 英彦[タマシロ ヒデヒコ]
たましろ・ひでひこ
1948年、沖縄県今帰仁村古宇利島生まれ。
現在北海道大学国際連携機構特任教授、
台北医学大学客員教授、デラサル大学国際客員教授。
北里大学・テキサス大学・旧国立公衆衛生院
(現在国立保健医療科学院)卒。
国立水俣病研究センター・世界保健機関
(WHO)本部(在スイス・ジュネーブ)勤務後、
北海道大学大学院医学研究科教授、
米国ポートランド州立大学国際客員教授などを歴任、
現在に至る。
専門は疫学・グローバルヘルス。
主著『世界へ翔ぶ――国連職員をめざすあなたへ』
(彩流社、2009年)、
近著(編著)に
『グローバル人材を育てる北海道大学の挑戦』
(彩流社、2017年)、その他に
『社会が病気をつくる?「持続可能な未来」のために』
(角川学芸出版、2010年)、
『ともに生きるためのエイズ
?当事者と社会が克服していくために』
(彩流社、2012年)、
『手洗いの疫学?ゼンメルワイスの闘…
内容説明
国際連盟の星・新渡戸稲造は、“日本人らしさ”を強烈な個性として打ち出した。国際社会で活躍した新渡戸の人生から読み取れる、現代へのメッセージとは。日本が戦争へと突き進む時代、どのような苦悩があったのかもていねいに読み解く。
目次
プロローグ(日本人らしい振る舞い;“To be not to do” ほか)
第1章 国際連盟誕生のあかつき(第一次世界大戦とウィルソン米国大統領;ウィルソン大統領の「14カ条の平和原則」 ほか)
第2章 新渡戸稲造―国際社会への助走(新渡戸稲造と私;新渡戸稲造の旧邸 ほか)
第3章 新渡戸稲造と国際連盟(第一次世界大戦前後の日本の外交方針;日本の国際公務員第一号―新渡戸稲造 ほか)
第4章 国際連盟退官後の新渡戸稲造(女性の教育と自立支援;「犠牲と奉仕」 ほか)
エピローグ(沈黙する勇気もグローバル人材の条件;「国際連盟の星」、新渡戸稲造そして北海道大学)
著者等紹介
玉城英彦[タマシロヒデヒコ]
1948年、沖縄県今帰仁村古宇利島生まれ。北海道大学名誉教授・客員教授、名桜大学共同研究員、台北医学大学客員教授、デラサル大学国際客員教授。北里大学、テキサス大学、旧国立公衆衛生院(現在国立保健医療科学院)卒。国立水俣病研究センター、世界保健機関(WHO)本部(在スイス・ジュネーブ)勤務後、北海道大学大学院医学研究科教授、米国ポートランド州立大学国際客員教授などを歴任。専門は疫学、グローバルヘルス(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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