いま読む!名著<br> 「もう一つの日本」を求めて―三島由紀夫『豊饒の海』を読み直す

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「もう一つの日本」を求めて―三島由紀夫『豊饒の海』を読み直す

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784768410127
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0395

出版社内容情報

三島由紀夫『豊饒の海』は社会的事件ともなった1970年の自衛隊での自決直後に完結した遺作ということもあり大きな話題となったが、全4巻の大著ということもありきちっとした読み解きがなされているとは言いがたい。本企画のねらいは、様々なテーマを内包している大作を、作品の重要な背景のひとつでもある高度経済成長の後、長い不況に陥り、さらには東日本大震災と原発事故を経た21世紀の日本を見通していたかのような予見的な作品と考えるという一点を基調にして読み直すことにある。この大作で終局に示される「虚無の極北」?進歩主義の果てにたどりついたブラックホールのような世界観は、日本に限らず現代社会すべての人々の深層に共通する感覚と言っても良いだろう。その状況を越えて、目の前に現前している世界とは別の「もう一つの日本」を探すための水先案内として三島の大著を読み直すということを試みる。

井上隆史[イノウエタカシ]
著・文・その他

内容説明

三島由紀夫『豊饒の海』は社会的事件ともなった一九七〇年の自衛隊での自決とともに完結した作品として大きな話題となったが全四巻の大著ということもあり充分な読み解きがなされているとは言いがたい。本書は『豊饒の海』を、作品の重要な背景でもある高度経済成長を経て、長い不況に陥り、さらには東日本大震災と原発事故を経験した二一世紀の日本を見通していた予見的な作品と考えるという一点を基調にして読み直すことを試みる。この大作で終局に示される「虚無の極北」は、現代社会すべての人々の深層に共通する感覚と言っても良いだろう。その状況を越え目の前に現前している世界とは別の「もう一つの日本」を探すための水先案内に三島文学はなるのだろうか。

目次

序章 『豊饒の海』を読み直す
第1章 『暁の寺』―昭和の鏡、時代の鏡(日本近代史のなかの「昭和」;世界観としての輪廻と唯識 ほか)
第2章 『春の雪』/『奔馬』―崩壊する擬制、ゾルレンとしての虚相(『春の雪』の時代性;『奔馬』が物語るもの ほか)
第3章 『天人五衰』―唯識と天皇(レッドラインとしての一九七〇年;『天人五衰』の世界 ほか)
終章 もう一つの日本を求めて

著者等紹介

井上隆史[イノウエタカシ]
1963年、横浜市生まれ。東京大学文学部卒業。白百合女子大学教授。三島由紀夫文学館研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

冬薔薇

3
阿頼耶識、輪廻転生、「常住でなくただ生滅しつつ、しかもそれが相続して少しも間断がない」「因果は同時に存在し滅する、時間という連続的なものが成立。「行く川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず」「暴流のごとし」。たたき込まれて朦朧とする。「すべての存在事象は心から生み出された虚像に過ぎない」。四巻のラスト「それまで語られてきた物語のすべてが消滅する。元々存在しなかった人々、私すらいなかったのではないか」。日本の行き着く先。2023/05/10

chimi

0
近代という時代が行き着いた果ての究極の虚無であり、「それは意味という意味が崩壊する極限状態であり、言葉によって表現しうる限界に言葉で挑もうとすること、表象不可能なものを表象しようとすることでもある…終末の夏、しんとした、あらゆる物音の消え去った、そのまま劫初の沈黙と重ね合わせられるような、三島氏がどうしてもそこから離れられなかった、あの永遠の夏…2018/11/20

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