出版社内容情報
美術家北川健次のオブジェは、不穏な気配を漂わせながら、我々の記憶を揺さぶる。ファン待望のオブジェ作品集。駒井哲郎に銅版画を学び、版画作品を制作してきたが、89年より「箱」を主題に立体表現も展開。
銅版画とオブジェの分野における第一人者的存在となる。
鋭い詩的感性と卓越した意匠性を駆使した作品は、美術の分野において独自の位置を占めている多才な美術家。
本書は、多彩なジャンルの中でも、数年前から精力的に制作し人気の高いオブジェを中心とした作品集。
薄い皮膚の向こう側を透かし見るような不穏な気配の漂う世界でありながら、どこかノスタルジアを感じるのは、北川健次の創り出すオブジェが、私たちの記憶を揺さぶるからにほかならない。
「ノスタルジアこそ、あらゆる芸術の源泉なのである。」と言ったのは、かの渋澤龍彦である。オブジェだけでなく、コラージュ、版画、写真なども紹介。
北川健次の詩や散文のほか、澁澤龍彦やランボー、マルセル・プルースト、ジャン・ジュネなどの言葉も引用することで、いっそう危うさは増幅する。
読者の記憶に突き刺さるような、ファン待望の作品集。
北川健次[キタガワケンジ]
著・文・その他
内容説明
解体された断片の結合は、時空を越えて集積し、ノスタルジアの層となり、見る者の奥底に潜む、遠い記憶を揺さぶる「装置」と化す。不穏な気配を漂わせながら、甘美なノスタルジアが透けて見える作品たち。ページをめくるごとに濃度は深まり、忘れていた懐かしい記憶が呼び起こされる。鋭い詩的感性と卓越した意匠性を駆使した北川健次の作品は、美術の分野において独自の位置を占めている。本書は人気の高いオブジェを中心に、コラージュ、版画、写真、詩を収めた待望の作品集。