内容説明
日本を初め、世界各国の政党制を取り上げてその性格・機能・形態を比較分析する。政党の動向を予測した画期的な著作。
目次
1部 政党論・なぜ政党なのか(部分としての政党;全体としての政党;予備的枠組み;内部からの政党)
2部 政党制(基準としての「政党の数」;競合的システム;非競合的システム;流動的な政治システムと擬似政党;全体的枠組み ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桜子
4
政治学原論の参考文献として読みました、とにかく文章が読みづらい!比較政治学の研究をされる方は1度は読んでおいた方が良いかも。
羽生沢
1
政党の定義に関する議論から政党制の国際比較まで、政党に関する研究が幅広くまとめられている。しかし文章がかなり読みづらいので、政党に関する国際的な比較研究がしたいという人以外にはあまりお勧めできない。2014/05/10
Kazuo
0
著者は、米国の州、ヨーロッパ諸国、発展途上にあるアフリカ諸国を、同じカテゴリーで分析しようとする政治理論には、何か基本的な誤りがあると考える。2党制の分析については「最も有名なものでありながら、実際には具体例が非常に少なく、イギリス、アメリカ、ニュージーランドの3カ国である。しかも、イギリスとアメリカでは違いが大きすぎる。」とする。日本の分析では「1党制国家と考えられることもあるし、2党制国家、多党制国家と考えられることもある。」とする。また、公明党は「仏教政党(宗教政党)に分類される。」と分析する。2014/11/15
ゆたか
0
政党論の定番。遅ればせながらやっと読んだ。白眉は6章「競合的システム」と7章「非競合的システム」か。6章第1節「分極的多党制」で、この政治システムは左右の中間にいる「かなめ政党」が鍵になるとしつつ、この存在により左右の政党が中央に収斂するのが妨げられていると主張されている点が興味深い。ところで、第一党と二党が連立を組めば体制は安定するじゃないか、という批判に対して「キリスト民主主義と共産党が組むなど現実味がない」と冷静に反論している箇所(p.502)で(学術書にも拘わらず)クスッと笑ってしまった。2013/12/25