出版社内容情報
中世、「悪党」と呼ばれる人々が召し捕りの対象だった。犯罪者を逮捕・処罰する「検断」の実態を探り、中世社会を治安維持から追究。中世において「悪党」と呼ばれる人々が、朝廷・幕府や荘園領主と敵対し、召し捕りの対象とされた。鎌倉中期以降、朝廷・幕府に悪党を訴える訴訟が多く提起され、荘園領主や地域社会も独自の治安維持機能をもって悪党と対峙した。犯罪者を逮捕・処罰する「検断」の実態を探り、自力救済が前提の中世社会を治安維持から追究。悪党の実像に迫る。
はじめに―中世人はいかに治安を維持したか/鎌倉幕府の成立と内乱後の新体制(治承・寿永内乱以前の治安維持体制/鎌倉幕府の成立/内乱後の新体制と朝廷/内乱後の新体制と鎌倉幕府)/鎌倉幕府の成長と治安維持体制(地頭のいる土地、いない土地/幕府の治安維持体制の整備/守護と守護所)/悪党召し捕りの構造(弘長の治安維持政策強化/モンゴル襲来と悪党対策の強化/権益争いの発生と外部勢力/悪党召し捕りの構造の成立)/悪党召し捕りの流れ(悪党は誰だ/幕府の審理/御家人の出動/悪党の処分)/悪党召し捕りの時代(相次ぐ悪党鎮圧令/錯綜する社会状況/文保・元応の悪党召し捕り/悪党の実像)/悪党召し捕りの行方(鎌倉幕府の到達点/鎌倉幕府の限界/建武政権から室町幕府へ)/おわりに―変化する治安維持体制/年表
西田 友広[ニシタ トモヒロ]
1977年、島根県生まれ。2003年 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程中退。現在 東京大学史料編纂所助教、博士(文学) ※2017年2月現在【主な著書・論文】『鎌倉幕府の検断と国制』(吉川弘文館、2011)、「鎌倉時代の石見国守護について」(『鎌倉遺文研究』20、2007)、「石見益田氏の系譜と地域社会」(高橋慎一朗編『列島の鎌倉時代』高志書院、2011)、『鎌倉幕府の検断と国制』(吉川弘文館、2011)、『現代語訳 吾妻鏡』(共編著、吉川弘文館、2007?16)
内容説明
中世において「悪党」と呼ばれる人々が、朝廷・幕府や荘園領主と敵対し、召し捕りの対象とされた。犯罪者を逮捕・処罰する「検断」の実態を探り、自力救済が前提の中世社会を治安維持から追究。悪党の実像に迫る。
目次
はじめに―中世人はいかに治安を維持したか
第1章 鎌倉幕府の成立と内乱後の新体制
第2章 鎌倉幕府の成長と治安維持体制
第3章 悪党召し捕りの構造
第4章 悪党召し捕りの流れ
第5章 悪党召し捕りの時代
第6章 悪党召し捕りの行方
おわりに―変化する治安維持体制
著者等紹介
西田友広[ニシタトモヒロ]
1977年島根県生まれ。2003年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程中途退学。現在、東京大学史料編纂所助教、博士(文学)。著書に『現代語訳 吾妻鏡』(共編者、吉川弘文館、2007~16年、第七〇回毎日出版文化賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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