内容説明
戦死者墓地に、最終供養として立てられた塔婆は何を意味するのか。国家による英霊祭祀とは異なる、生活する側からの戦死者供養を探る。また、祖霊信仰学説や戦時下の天狗信仰から、人々が求めた精神の拠りどころを描く。
目次
戦死者たちの五十回忌(『先祖の話』が残したもの;「戦後五十年」の二又塔婆と梢付塔婆;ムラの民俗としての戦死者祭祀)
「七生報国」と祖霊信仰(「家永続の願ひ」の虚構;柳田国男の社会的使命感;戦時下の柳田民俗学;祖霊信仰;柳田民俗学の「七生報国」;祖霊信仰学説の形成;祖霊信仰学説の再検討のために;『先祖の話』以後)
天狗と戦争(戦時下の天狗大活躍;弾丸除け祈願としての「さ抬ばら」;人格神的天狗の威力;産神―山の神―天狗の神体系;流行神の可能性)
著者等紹介
岩田重則[イワタシゲノリ]
1961年、静岡県生まれ。1984年、早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。1994年、早稲田大学大学院文学研究科史学(日本史)専攻博士後期課程退学。現在、東京学芸大学助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。