出版社内容情報
道鏡・西行・文覚・一遍・一休…。超能力や新しい信仰のかたちで人々の心をとらえ、時代を変えていった彼らの行動と実像を検証する。
内容説明
卓越した能力で政治・社会に大きな影響を与えた、奇僧・快僧たち。超能力や新たな倫理、横紙破りな生き方、新しい信仰のかたちで人々の心をとらえ、時代を変えていった。彼らの行動と魅力に満ちた実像を検証する。
目次
知的アウトサイダーとしての僧侶
道鏡―恋人は女帝
西行―放浪五〇年、桜のなかの死
文覚―生まれついての反逆児
親鸞―結婚こそ極楽への近道
日蓮―弾圧こそ正しさの証
一遍―捨てよ、捨てよ、捨てよ
尊雲(護良親王)―大僧正から征夷大将軍へ
一休―天下の破戒僧
快川―心頭を滅却すれば火も自ら涼し
天海―超長寿の黒衣の宰相
エピローグ―僧侶と日本人
著者等紹介
今井雅晴[イマイマサハル]
1942年東京都に生まれる。1977年東京教育大学大学院博士課程日本史学専攻修了、茨城大学教授、筑波大学大学院教授を経て、筑波大学名誉教授、文学博士。この間、プリンストン大学・コロンビア大学(アメリカ)、台湾国立政治大学、カイロ大学(エジプト)その他の客員教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サケ太
19
奈良時代~江戸時代を通じて存在した奇僧・快僧たちを紹介する本。僧侶とは何か、その時代の人々が求めたアウトローという側面。悩みから人々を救うという存在意義。そして、現在に問われる在り方。波乱万丈過ぎる人生で、己の意地と信念を貫き通した凄まじき人々。確かに魅力的。最近の研究についても補論で触れているのが素晴らしい。2018/06/30
あんこ
10
道鏡、西行、一休、日蓮など10人のお坊さんがとりあげられている。まあ濃い、濃すぎる。波乱万丈の人生だし、政治にも影響を与えてるのに大河ドラマの主人公にはならないんだなと思った。2018/01/06
あにこ
3
恥ずかしながら文覚=遠藤盛遠ということを今まで知らなかった。というか文覚という坊さんを知らなかった。一般向けに学者が書かせられた(多分校正もいっぱい入れられた成れの果ての)本という印象。/ (余談)『袈裟と盛遠』は鷗外ではなく芥川の小説だろう。下敷きになった話を知った先日、久しぶりに読み返してみたが、あまり面白い小説でもなかった。またこの折に安吾の『道鏡』も読み返してみたが、こちらはモーレツに面白かった。2018/06/17
どん
2
日本の10人のお坊さんの人生をまとめて読むことなど無かった。なかなか面白い。 時代を追い、天海が最後、その後の仏教、僧の位置づけが変わり奇僧、快僧が見当たらないとの論には考えさせられる。 時代が変わっても忘れられないのは、それだけの人間性、存在感があるからだと思わせる 2018/01/24
マサトク
1
最初の版が講談社から出たのが95年というけど、内容は古びていない。とくに文章の軽快さは特筆すべきもので、学問的バックグラウンドをしっかり解説しつつもチャーミングでとても良い。 「「遊行」は一遍だけの問題ではなかったが、一遍の場合には、家庭を捨て財産を捨て、「すべてを捨てきった」という帽子がかぶせられる。このようにいえば立派に聞こえるけれど、「なに、そんなに偉いものじゃない、家庭がいやで飛び出しただけだろう」といわれれば、それもそうかなとおもわせるだけの理由はある」(p104)等々。書き手を追う気になった。2021/01/09