出版社内容情報
父了以の高名に隠れているが、近世の経済や文化の発展に多大な役割を果たした素庵。朱印船による交易や大堰川・高瀬川開鑿、藤原惺窩・林羅山との朱子学研究、華麗な嵯峨本刊行など、卓越した業績と清楚な生涯を辿る。
内容説明
父了以の高名に隠れているが、近世の経済や文化の発展に多大な役割を果たした素庵。朱印船による交易や大堰川・高瀬川開鑿、藤原惺窩・林羅山との朱子学研究、華麗な嵯峨本刊行など、卓越した業績と清楚な生涯を辿る。
目次
嵯峨の春秋―浄土から郷土へ
元亀二年―素庵の誕生
父祖の家―医術の伝統
角倉宗家―土倉の発展
慶長八年―素庵の修業時代
「船」への執心―朱印船と高瀬舟
嵯峨本の世界―風流と出版事業
水とのたたかい―父業への協力
素庵の時代―文人と県令の生活
元和の日々―家庭の素庵
寛永の明暗―晩年の風流
『塵劫記』の世界―角倉家の精神
著者等紹介
林屋辰三郎[ハヤシヤタツサブロウ]
1914年石川県金沢市に生まれる。1938年京都帝国大学文学部国史学科卒業。立命館大学教授、京都大学教授、京都国立博物館長を歴任。1998年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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クラムボン
17
角倉素庵のことは著者の『京都』で知りました。対して父了以は富士川を開削した土木家のイメージだった。林屋辰三郎は大学院卒業の昭和19年に『角倉了以とその子』を書く。そして昭和53年大学退官時に『角倉素庵』を出版。素庵への思い入れは相当だ。本書では角倉家を先祖から掘り起こす。医の家系から茶屋や後藤と並ぶ土倉になる。そして親族間の婚姻で一族の結束は堅く、多くの優秀な人物を生む。了以-素庵父子は分家。ここらの説明に頁を割くので、割を食ったか?朱印船貿易・河川疎通の事業や嵯峨本の話をもっと詳しく知りたかったのだが。2022/03/18
umeko
13
タイトルは「素庵」だが、内容は「了以と素庵」親子の功績を書いたもの。原本は1978年刊行。学問・貿易・芸術などその活動の幅は広く、この親子に対して益々興味が沸いた。凄い親子がいたものだ。保津川下りに乗らなくてはっ!!!2018/07/13
Book Lover Mr.Garakuta
0
知らなかった2018/07/14