内容説明
東アジアの大変動期である5・6世紀、朝鮮半島から大量の渡来人が日本列島に移住してきた。畿内の有力豪族はなぜ彼らと結び付こうとしたのか。渡来系技術者の掌握をめぐる諸豪族の動向を探り、大和政権の実態に迫る。
目次
葛城氏と渡来人(葛城襲津彦と渡来人;葛城地方の渡来人 ほか)
雄略朝以降の王権と大伴・物部両氏(軍事的専制王権の成立;大伴氏の性格 ほか)
東漢氏と軍事的専制王権(東漢氏の氏族組織の問題点;東漢氏の氏族組織の成立 ほか)
蘇我氏の台頭と渡来人(蘇我氏登場;オオマエツキミとマエツキミ ほか)
著者等紹介
加藤謙吉[カトウケンキチ]
1948年、三重県に生まれる。1975年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、成城大学・中央大学・早稲田大学・慶応義塾大学兼任講師、博士(文学)
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感想・レビュー
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hr
1
図書館本。「氏姓制度」という名前で終わらせると読み誤ることがありそうな、そんな奥行きを見せられている。2021/11/20
くまきん
1
5〜6世紀の王権と深い関わりを持った有力豪族、葛城氏、大伴氏、物部氏、そして蘇我氏の興隆と衰退、その氏族を支えた渡来系氏族に関する考察である。 例えば、雄略天皇は対立勢力やライバルを次々に倒して王位を手に入れた。その背景にあったのは、物部氏や大伴氏のような軍事的伴造である。大伴室屋、物部目以降の記紀の記述はその実在性を高く確信させ、彼らの動向が権力の掌握には重要な要素であったいうことがわかる。2016/06/24