内容説明
典型的な開化大名にして蘭学の大の庇護者島津重豪初めての伝記。中世的体質を強く残した薩摩藩の、後進性克服を生涯の課題とした重豪は、積極的に開化政策を展開。そのために五百万両という巨額の藩債を造出した元兇と伝えられる。新史料によってその原因を究明、多彩な重豪の業績とともに、薩摩藩天保財政改革前夜の姿を描く。
目次
第1 幼年藩主の出現
第2 見聞をひろめる
第3 開化をめざして
第4 職制を整える
第5 文化施設をつくる
第6 各種図書の編纂刊行
第7 蘭学への傾倒
第8 高輪御殿
第9 斉宣親政と近思録くずれ
第10 再び藩政後見
第11 斉構親政と藩債の急増
第12 調所広郷の登用
第13 その死と恵まれた子女
第14 偉大なる遺産
島津氏略系図
略年譜