感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomozuki Kibe
4
中公新書を読んでから。あっちは「評伝ではない」と言ってるがこっちは評伝。一面的な見方はよくない、というかかなり印象は違う。宣長の生家の財政(投資で食ってる)・乱読の十代。医者としての宣長の姿勢(病気は本人が直し、医者や薬はその手助け)は中公にない見方。歌人としては古代万葉にこだわらず、新古今主義というべき趣味。そして文学は教訓道徳から離れ「もののあはれ」を読み解くべき、という姿勢。一方で本地垂迹を前提とした度会神道を批判し、青年期の仏教好きが転じて仏教嫌い(晩年は世間を気にして丸くなるが)「漢意」批判へ。2022/12/27
Ohe Hiroyuki
2
「敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花」で知られる国学の祖ともいうべき本居宣長の一生について書いた一冊▼生涯を見ると、まずその体力に驚かされる。72歳で亡くなるその年まで旅行をしている。▼生涯かけて『古事記伝』を書き上げ、最後は士分として取り立てられる。それだけ充実した人生だったからこその晩年の精力なのであろうと思うし、彼の勢いを感じる。▼そして本居宣長といえば、遺言である。この遺言に本居宣長の思想があると見出したのは、小林秀雄であった。本書を読んでようやく小林秀雄の『本居宣長』が読めそうな気がする。2022/02/27
多読多量連投が日課だった
0
米将軍の時代の人で医者の片手間で国学者。2017/08/09