出版社内容情報
狩猟ブーム〟の現代にこそ読み返したい猟師の源流がここにある ―― 千松信也(猟師)
漫画家・矢口高雄氏の隠れた名作『マタギ』(1976年日本漫画家協会賞大賞受賞作)がヤマケイ文庫で復刊!
「最後の鷹匠」も収録、800頁以上、圧巻の読み応え!
舞台は、雄大な奥羽山脈の山里。
不条理とも思える大自然の〝掟〟の下、狩人であるマタギたちは、冷徹な頭脳と研ぎ澄まされた狩猟技術をもって野生動物に向かっていく。
漫画家矢口高雄の代表傑作、第5回日本漫画家協会賞大賞受賞作、待望の復刊です!
愛蔵版未収録の「最後の鷹匠」も入っています。
●目次
野いちご落し
怜悧の果て
オコゼの祈り
勢子の源五郎
アマッポ
行者返し
寒立ち
樹氷
最後の鷹匠
【 街ではジビエが流行り、田舎は獣害に苦しむ現代。狩猟の必要性が叫ばれるこの時代にこそ読み返したい狩猟の源流がここにある ―― 千松信也(猟師) 】
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶのぶ
37
矢口高雄さんのヤマケイ文庫の三部作の漫画は、どれも素晴らしい。マタギの三四郎の物語。マタギもたった1発で熊を仕留める、乱獲も防ぎ、山の生き物を尊重し、真剣勝負。他の2作にもあったが、熊の立場から見たら、人間への攻撃も致し方がないのかもしれない。山に食べ物がないときもあるのだなあ。三四郎の出生の秘密がまだまだあやふやなので、続きがあるのなら、描いてほしい作品。漫画版、椋鳩十、シートン。動物の習性観察は、素晴らしい。とりすぎてはいけないし、人間が入ってはいけない、生き物の生地のような所は残さねばならない。2018/12/26
たまきら
24
野性との共存のむずかしさだけでなく、動物と人間が結ぶこともできる様々な関係も紹介されている。シートンを読んでいるような気持ちになった。とらばさみは子どもの頃見たことがあったのでぞっとした。狩りをするな、駆除をするななどとどうしていえよう。ルールを持ち込む難しさもわかる。けれど、気づいたら「自然」はない、と気づく方がもっと恐ろしいのではないだろうか。この本ではそんな可能性をちょっとSF調で伝えようとしている気がする。が、海竜はどうなの、海竜は。2019/02/11
ichi
23
【図書館本】『釣りキチ三平』の著者と知り読んでみました。また違う雰囲気の作品。図書館で漫画も借りれるの?とびっくりでしたが…東北舞台のマタギについて漫画を通して知ることができたし、何より三四郎がカッコいい!2018/04/30
こうすけ
21
ヒグマを追う北海道の熊撃ちではなく、ツキノワグマを狙う東北のマタギを描いた漫画。絵が超絶うまい。ツキノワグマもこんなこわいのか。マタギのしきたりや伝承を、かなり詳しく知ることができる。後半、オカルトになると聞いていたが、ここまでとは。ニホンオオカミはわかる、ツチノコもわかる、ダイナマイトを扱うめちゃ賢いキツネも許せる、でもアイツはさすがに…。夢を見ていた、ということだよね、きっと。でも面白いです。2022/10/24
空猫
21
prime reading で。矢口高雄さんの作品は『釣りキチ三平』だけじゃなかった(当たり前か)。でもやはり自然と人間の物語ではある。自然界の掟に従って生きねば罰が下るのは、人間も野生動物も同じ、なのだ。迫力のある作品だった。2019/11/21