出版社内容情報
1970年、歴史が動く瞬間?? 万博開催後、緑の再生をめざした意義を 歴史の中に位置づけ、捉えなおす試み。1970年、大阪万博。その開催のために切り開かれ、更地となった会場の跡地が森に生まれ変わるという奇跡は、いかにして可能になったのか。本書は、万国博覧会や都市におけ公園の歩みを通じて、今までの日本と世界の歴史を振り返り、これからの文明の姿を模索するものである。持続可能な生物多様性社会に向けた公園・都市・文明のあり方を、大阪万博および万博公園の計画に携わった環境プランナーである著者が、これまでの総括とともに提言する。
まえがき??大阪万博から万博の森へ
第?部 大阪万博以前
第1章 日本は、万国博覧会とどうかかわったのか
1 日本人が初めて遭遇したロンドンの万国博覧会
2 都市美観改造のパリ万国博覧会
3 工業博としてのパリ万国博覧会
4 日本人が最初に見た万国博覧会
第2章 内国博覧会から始まった万国博覧会
1 博覧会の起源
2 上野公園での内国勧業博覧会
3 京都再興を願った京都建都一一100年記念事業
4 最後にして最大の世界規模の大阪内国博覧会
第3章 幻に終わった戦前の万国博覧会
1 三代続いた万国博覧会開催への願い
2 第一世代の日本への万国博覧会誘致
3 第二世代の万国博覧会誘致運動
4 国威発揚の道具とされた万国博
5 幻に終わった第三世代の紀元2600年記念万国博覧会
6 工業化の成果ではなく、エキゾチシズムに甘んじた
第4章 アジア初の万国博覧会??大阪万博開催
1 00年目に、念願の万国博覧会が、日本に来た!
2 大阪万博のテーマ??人類の進歩と調和
3 なぜ、東京ではなく大阪で開催されたのか
4 なぜ、竹藪と農地の丘陵地で開催されたのか??エアポケットの地と交通の要衝の地
5 大阪大都市圏衛星都市構想
第5章 万博会場の設計思想
1 大阪万博のテーマ「人類の進歩と調和」は、会場設計にどう反映させられたか
2 西山夘三による田園都市型会場設計とお祭り広場
3 丹下健三による三次案
4 万博跡地の丹下の都市設計への野心
5 メガストラクチュアのアナクロニズム
第?部 大阪万博以後
第6章 「人と自然の新しい関係の再建」をめざした都市公園への転換
1 地球規模の環境とエネルギー問題
2 「人類の進歩と調和」は、万博公園で達成された
3 都市センターから「緑に包まれた文化公園」へ
4 自然再建の都市計画??丹下健三から高山英華へ
5 公園を核とした都市計画
第7章 国立民族学博物館の誕生
1 民族学博物館は、大阪万博から生まれた
2 「大阪万博跡に、万国博を!」??文化相対主義としての展示
3 平和をめざす研究機関としての国立民族学博物館
第8章 太陽の塔は、残った
1 太陽の塔はいらない??三つの理由
2 べらぼうなものをつくる!
3 宇宙(太陽系)の中の人類の位置を探ったテーマ館
4 太陽の塔は、立ち続ける
第9章 地球環境時代の新種の公園
1 大胆不敵な森の再建??万博の森
2 三つの森で、生物多様性のある生態系の風景をつくる
3 タカが棲息する都市公園をめざす
4 生物多様性のある回遊式風景庭園(公園)の誕生
5 工業文明から生物多様性社会への芽生え
第10章 巨大都市の功罪
1 万博公園は、自然破壊の免罪符か
2 巨大都市化がもたらした課題と展望
3 都市の中に、都市をつくる
4 サステイナブル・シティ・イン・メガシティ
第11章 2070年の万博公園の未来に向けて
1 城壁型公園から解放型セントラルパークへ
2 万博公園を核にした千里環境文化創造都市をつくる
3 新都市の装い
4 多心型大都市圏構想
参考文献
あとがき??都市の中に、森をつくるということ
年 表
人名・事項索引
吉村 元男[ヨシムラ モトオ]
著・文・その他
内容説明
一九七〇年、大阪万博。その開催のために切り開かれ、更地となった会場の跡地が森に生まれ変わるという奇跡は、いかにして可能になったのか。本書は、万国博覧会や都市における公園の歩みを通じて、今までの日本と世界の歴史を振り返り、これからの文明の姿を模索するものである。持続可能な生物多様性社会に向けた公園・都市・文明のあり方を、大阪万博および万博公園の計画に携わった環境プランナーである著者が、これまでの総括とともに提言する。
目次
第1部 大阪万博以前(日本は、万国博覧会とどうかかわったのか;内国博覧会から始まった万国博覧会;幻に終わった戦前の万国博覧会;アジア初の万国博覧会―大阪万博開催;万博会場の設計思想)
第2部 大阪万博以後(「人と自然の新しい関係の再建」をめざした都市公園への転換;国立民族学博物館の誕生;太陽の塔は、残った;地球環境時代の新種の公園;巨大都市の功罪 ほか)
著者等紹介
吉村元男[ヨシムラモトオ]
1937年11月京都市左京区生まれ。京都大学農学部林学科卒業(造園学専攻)。1968年環境事業計画研究所を設立し、代表取締役所長に就任。奈良女子大学、大阪大学、京都工芸繊維大学、鳥取大学などの非常勤講師を歴任。2001年3月環境事業計画研究所会長になり、同年4月鳥取環境大学環境情報学部環境デザイン学科教授に就任。2008年退職。「万博記念公園の森の基本設計」で日本造園学会賞、「鎮守の森の研究」で環境賞、都市公園での功労により北村賞などを受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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