出版社内容情報
経済至上主義の韓国社会で、脱北者たちの小さな倫理感が崩れ落ちる。北朝鮮出身の両親をもつ作家が現実を直視し、衝撃を放った小説。「脱北者」の三人には、亡命の過程で家族を失うという共通点があった。
ウォンギルはモンゴル砂漠で力尽きた妻を見捨てて娘を背負って逃げてきた。
トンベクは国境を越える直前に家族全員が目の前で公安警察に捕まるが、自分だけ助かった。
ヨンナムは別ルートで脱出した家族が中国で行方不明、人身売買グループの手に渡ったらしい。
やがてオリンピックの選手村建設予定地で、朝鮮戦争にさかのぼる大量の人骨が出土した……。
経済至上主義のなかで、脱北者たちのささやかな倫理感が崩れ落ちていく。北朝鮮出身の両親をもつ作家が韓国社会を凝視し、衝撃を放った小説。
チョン・スチャン[チョンスチャン]
著・文・その他
斎藤真理子[サイトウマリコ]
翻訳
内容説明
「脱北者」の三人には、亡命の過程で家族を失うという共通点があった。ウォンギルはモンゴル砂漠で力尽きた妻を見捨てて娘を背って逃げてきた。トンベクは国境を越える直前に家族全員が目の前で公安警察に捕まるが、自分だけ助かった。ヨンナムは別ルートで脱出した家族が中国で行方不明、人身売買グループの手に渡ったらしい。やがてオリンピックの選手村建設予定地で、朝鮮戦争にさかのぼる大量の人骨が出土した…。経済至上主義のなかで、脱北者たちのささやかな倫理感が崩れ落ちていく。北朝鮮出身の両親をもつ作家が韓国社会を凝視し、衝撃を放った小説。
著者等紹介
チョンスチャン[チョンスチャン]
1968年大邱生まれ。延世大学電気工学科卒業。両親が南北分断により北朝鮮から韓国へ避難してきた、「失郷民」二世である。2004年『いつのまにか一週間』で第9回文学トンネ作家賞を受賞して作家デビューした
斎藤真理子[サイトウマリコ]
1960年、新潟市生まれ。明治大学文学部地理学科考古学専攻卒業。91‐92年、延世大学語学堂に留学。2015年、パク・ミンギュ『カステラ』(ヒョン・ジェフンとの共訳 クレイン、2014)で第一回日本翻訳大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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