出版社内容情報
1946年3月のある1週間に生まれた《すべての赤ちゃん》の人生を追跡した世界最長の研究の物語。
内容説明
ある1週間に生まれた“すべての赤ちゃん”を追跡した世界最長の研究の物語。経済学と疫学を変革した英コホート研究。その驚くべき成果と研究者の奮闘を語りつくした、『エコノミスト』誌2016年ベストブック。
目次
第1部 この世に生まれる(ダグラス・ベビー―方法論の誕生;生まれながらの落後者?―コホート、学校に行く;病めるときも健やかなるときも―コホートと疫学)
第2部 成年に達する(生き残る―コホート、存続をかけて闘う;年を重ねて賢くなる―コホート、真価を発揮する;開かれる―コホート、宝を生む)
第3部 世代はめぐる(新世紀の子どもたち―コホート、生き返る;溝を埋める―コホート、未来に向かう)
彼らはいまどこに?
著者等紹介
ピアソン,ヘレン[ピアソン,ヘレン] [Pearson,Helen]
ジャーナリスト、『ネイチャー』誌のエディター。2010年ウィスター研究所科学ジャーナリズム賞受賞。イギリス・サイエンスライター協会の大賞も2回受賞。遺伝学の博士号を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
62
1946年に、3月のある1週間に生まれたすべての赤ちゃんの生涯を追跡する〈コホート研究〉がイギリスでスタートした。この出生コホートは12年ごとに新世代の調査も行われる。1946年生まれの赤ちゃんのコホートはいま70代、2000年生まれのコホートが17歳。調査では生まれたときの健康状態、親の社会階級、知能や学業成績、成人後の健康状態、職業や結婚など社会経済的地位が包括される。生誕から、就職、結婚、死まで人のライフコースが記録される。本書はこのコホート研究がどのように行われてきたのか、どのような研究が行われて2017/12/28
CCC
9
コホート研究に興味があったのだけれど、この本は研究内容というよりプロジェクトX方向に話が行ってしまっていた感があった。イギリスの歴史を特殊な角度から見ているようなところもあって、これはこれで面白いけれど、手法の妥当性など研究内容に踏み込んだ話が読みたければ他の本を読むべきなのかもしれない。2022/10/31
GASHOW
6
人が生まれてからの経過観察は、なかなか価値のある調査だと思う。本書はその内容よりも、調査の困難さとか重要性なので、期待とはおおきくかけ離れてしまった。2018/05/23
ksk1975
3
副題に『7万人の一生からわかったこと』とあるものの、殆どは7万人の一生を追跡するプロジェクトの苦労話だった。原題の『The Life Project』に羊頭狗肉な副題をくっつけた点はいただけないが、その苦労話は面白かった。こんな壮大な研究は『世界一の帝国』を自負する国家だったからこそ成しえたのではなかろうか、と思う。とはいえ、『分かったこと』への言及が少なすぎて、『苦労の割に…』という印象が残る。その成果にもっとスポットあててほしいなぁ。2018/09/30
うここ
3
何というか、物凄く壮大な話しでした。戦勝国とはいえ戦後10カ月から研究を始めたという事が一番のインパクトでした。人間の探究心の凄まじさに若干引きました。2018/06/12