世界の見方の転換〈1〉天文学の復興と天地学の提唱

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  • サイズ B6判/ページ数 356,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622078043
  • NDC分類 440.23
  • Cコード C1340

出版社内容情報

「なぜ、どのように西欧近代において科学が生まれたのか」を15-16世紀の天文学史の展開に探る。近代科学誕生史〈三部作〉完結編

◆『磁力と重力の発見』『一六世紀文化革命』に続き、「なぜ、どのように西欧近代において科学が生まれたのか」を探る、近代科学誕生史<三部作>の堂々たる完結編。◆プトレマイオス理論の復元にはじまり、コペルニクス説をへてケプラーの天体力学へいたる15~16世紀の天文学史の展開は、観測にもとづく天文学を、自然哲学としての宇宙論より上に据えるという学問上の下剋上をなしとげ、まったく新しい自然研究のあり方を生みだした。多くの科学史家を虜にしてきたこの歴史的転換を、著者は前作から貫かれた独自の視点と周到な目配りで捉えなおす。

まえがき/第1章 古代世界像の到達地平――アリストテレスとプトレマイオス/第2章 地理学・天文学・占星術――ポイルバッハをめぐって/第3章 数学的科学と観測天文学の復興――レギオモンタヌスとヴァルター/第4章 プトレマイオス地理学の更新――天地学と数理技能者たち/付記A:プトレマイオス天文学補遺/注記

内容説明

『磁力と重力の発見』『一六世紀文化革命』、そして。「なぜ、どのように西欧近代において科学が生まれたのか」を解き明かす、近代科学誕生史“三部作”の完結篇。レギオモンタヌスら人文主義者がその体系も復元し、数学や観測による天文学を自然哲学への有用なアプローチと位置づけることで、変革への最初の一歩を刻む第1巻。

目次

第1章 古代世界像の到達地平―アリストテレスとプトレマイオス(アリストテレスの宇宙像;プラトンの影響 ほか)
第2章 地理学・天文学・占星術―ポイルバッハをめぐって(人文主義とプトレマイオスの復活;ドイツの人文主義運動 ほか)
第3章 数学的科学と観測天文学の復興―レギオモンタヌスとヴァルター(数学的科学の復活;レギオモンタヌスと三角法 ほか)
第4章 プトレマイオス地理学の更新―天地学と数理技能者たち(プトレマイオスの『地理学』をめぐって;ベーハイムとヴェルナー ほか)

著者等紹介

山本義隆[ヤマモトヨシタカ]
1941年、大阪に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。同大学大学院博士課程中退。現在、学校法人駿台予備学校勤務。著書『磁力と重力の発見』全3巻(みすず書房、2003、韓国語訳、2005:パピルス賞、毎日出版文化賞、大佛次郎賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

113
山本さんの科学史三部作の最後のシリーズです。この巻で知っているのはプトレマイオスしか知りませんでした。アリストテレスとの比較を論じたりして彼の地理学と天文学についてはかなり興味を持って読むことができました。地理と天文さらに占星術ということでポイルバッハとレギオモンタヌスという人物を引き合いに出して説明しています。とにかくあまり知ることのなかった分野の勉強をすることができました。2巻、3巻ではコペルニクスとケプラーを論じているようです。2016/01/30

岡本正行

78
読んだだけ、目を最後まで通しただけに過ぎない。読んだと言うには、少し恥ずかしい。それでも数学や天文学、ギリシアで学問化、理論家され、アラビア、ローマなどに伝播し、そしてヨーロッパへどう伝わったか、天動説から地動説、そう考えられていたのか、宗教的にどうなのか、流れは感じ取ることができた。いかんせん数学、幾何学も弱い、基礎ができてない分、さらに理解はしがたかった。本来、一つひとつ証明に納得し、自分でも証明できるようになった状況で、理解したとういうべきであろう。レベルや得意不得意、能力も気合もかなり不足した。2024/03/05

夜間飛行

62
天文学も数学も、アリストテレス自然学やスコラ学から単なる技術として軽んじられていたらしい。だが、天動説に基づくプトレマイオスの惑星運動式が地動説に基づくケプラーの式と余りにも似ている事を思えば、用途は別として高度な知見がすでに古代からあった事に驚かされる。それら中世の歪みの中にあった知見を解放するためには、実践によって世界像を探ろうとしたルネサンス期の精神が大きな役割を果たしたようだ。《学問を観測によって確める手法》を用いたポイルバッハやレギオモンタヌスらを経て、科学的思考の生れてくる過程にわくわくした。2016/10/03

MrO

7
知的な興奮とは、このような読書体験を指すのかと、驚きの連続。このようにして、いまの科学的な世界観が作られてきたのかと納得する。はやいこと、2巻を読みたいので、感想は、これくらいで。いつもながら、山本氏の学識には恐れ入る。駿台生がうらやましい。2015/07/04

Hiroki Nishizumi

5
天動説から地動説の歴史。価値観の移行というよりも、ちょっと記述的内容。2019/05/08

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