出版社内容情報
精神医学と比較文化の視点から現在を鋭利に分析する。教育、福祉、政情、犯罪――それらに通底する構図を指摘し、原因の所在を示す。
内容説明
日本再生への手がかりとして精神科医が問う―「被災者理解へ問われる人間観」「自殺が組み込まれた社会を変えよう」。変革へのラディカルな思考を投げかける。
目次
1 東日本大震災被災者理解へ問われる人間観(被災地に立って)
2 開かれた対話へ(閉ざされた不安から開かれた対話;自殺が組み込まれた社会を変えようではないか)
3 現代日本の情景(チベット暴動;映画『実録・連合赤軍』;神なき時代の聖火;花をめでるネアンデルタール人;東寧の要塞は誰が造った;残留孤児たちのふるさと;国家を超えた災害支援を ほか)
著者等紹介
野田正彰[ノダマサアキ]
1944年、高知県生まれ。北海道大学医学部卒業。長浜赤十字病院精神科部長。神戸市外国語大学教授などを経て、2004年度より関西学院大学教授。専攻は比較文化精神医学。主な著書に『コンピュータ新人類の研究』(文藝春秋1987、大宅壮一ノンフィクション賞)。『喪の途上にて』(岩波書店1992、講談社ノンフィクション賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
3
自殺で不満が自分に向けられる。男性が武士の切腹をしていたような終わり方を選んでしまう。これは明らかに社会病理である。1日90人、年間三万人自殺が14年連続とは、明らかに異常事態。これは政策、制度、法律に問題を感じてしまう。個人的にハローワーク行ってもないものはないのだから。気分が悪いので、社会問題が複雑化、多様化していくのであろう。厭世気分なのである。うつ病は社会的にもあるだろう。3.11以後、社会をセシウムが覆い、気分が晴れないので、少子化ではないのか。いい社会なら酷な無関心社会と格差社会が終わる時だ。2012/11/08