出版社内容情報
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内容説明
本書は、「行幸」、つまり「御所からのお出まし・お出かけ」に焦点を当てている。天皇個人の人となりは勿論、そのときの具体的行動から、歴史の襞の裏側を探ろうとするものである。この本では私たちが親しんでいる昭和天皇と今上天皇を取り上げた。その足跡をたどれば、幼くして「将来の天皇」という重い運命を引き受けた二人が、どのように時代と格闘したかがわかるだろう。巻末資料は、『昭和天皇実録』や側近の日記、その他の資料から再構成している。歴史年表と見比べるとなかなか興味深いし、思わぬ発見ができるはずである。
目次
第1章 祈りと癒しの旅
第2章 大元帥陛下の旅
第3章 戦後復興の旅
第4章 離宮と御用邸の歴史
第5章 鉄道・地図と趣味
第6章 映画・テレビと日常
巻末資料
著者等紹介
竹内正浩[タケウチマサヒロ]
1963年、愛知県生まれ。文筆家、歴史探訪家。地図や鉄道、町歩き、近現代史研究をライフワークとする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hitotak
2
昭和天皇の幼少期から晩年に至るまでの行幸、視察、静養先と余暇の過ごし方などを『昭和天皇実録』を元にまとめたもの。特に巻末の各種データの詳細さには驚き。あらゆる移動の詳細と宿泊先(なかには宿の階数、部屋名まで!)、鑑賞した映画タイトル、相撲観戦の記録と当日の主な取組、戦前の行幸先の現在の施設名などが一覧になっており、思わずじっくり眺めてしまった。大変な労作で、『実録』の索引代わりにもなると思う。このデータを基点にして新たな興味も湧く感じ。まさに寄り道のような、こんな形の昭和史も楽しい。2018/03/26