出版社内容情報
男と女が色とカネめぐって繰り広げる人間喜劇! 川柳作家の細かすぎる観察眼といじわるな表現が何とも可笑しい。落語ファン必読!
内容説明
どら息子や無粋な武士、色坊主から元気な老人まで、江戸の男たちは、吉原が大好きだった。“もてたい”奴らを、遣り手が手ぐすね引いて待ち、嘘八百を並べながら、遊女たちがその気にさせる―。男と女の人情喜劇を見事に詠み込んだ川柳の数々に、「ニヤリ」となるか、「ドキリ」とするか!?江戸川柳の「ありんす国」は、今日も可笑しな人々で大騒ぎ!
目次
第1章 いざ吉原へ!(吉原はどこに?;吉原へ行く;吉原の街並み)
第2章 “ありんす国”の人々―遊女と遣り手と太鼓持ちと(遊女とその予備軍たち;吉原の名脇役たち;営業時間と客寄せイベント)
第3章 “もてたい”人々―遊客百態
第4章 騙し騙され、男と女(しきたりの多い極楽へ―妓楼へ上がる;極楽の沙汰はカネ次第;もてりゃ天国、振られりゃ地獄;油断のならない遊女たち;成敗される悪い客)
著者等紹介
小栗清吾[オグリセイゴ]
1939年岐阜県生まれ。名古屋大学法学部卒業。三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)勤務を経て、江戸川柳研究に専念。古川柳研究会会員。江戸川柳研究会事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
冬見
18
今年は吉原開業400年の年だそうで。江戸の話をする上で吉原は避けては通れぬ道。江戸川柳には、現代には残っていない、当時の人間ならば説明なしに分かる言葉、暗黙の了解が盛りだくさん。一句ごとに数行程度の解説を挟みつつ、吉原の場所や登場人物といった初歩的なところから、交通手段、しきたり、モテテクや家族への言い訳など吉原にまつわるあれこれを紹介。語り口は軽快でさらっと読めるが、侮ることなかれ。この一冊になんと800もの句が収められている。一冊読めば吉原の概要をざっくり掴めるので入門書に最適。良書。2018/09/29
kenitirokikuti
5
図書館にて▲「駆けてきて禿あのねを三つ言い」「くすぐると禿丸めたようになり」「新造は振る気ではなし寝る気なり」「新造は寝るも笑うも二人前」「笑わせなんなと新造来て座り」「お針さんお針さあんとむごいこと」「お針の詫びでようよう小手許し」「明け方をよくなんしと姉女郎」「身共らがまた来たと禿言い」「罷り越しさんと浅黄は名を付ける」「天命を知って新造買いに行き」「孫よりも可愛いそうで買いに行き」「新造の文 死に金を崩させる」「新造は干し大根に縒りをかけ」「隠居と新造 提灯に振袖」提灯に干し大根はご隠居の萎びた陰部2021/11/03
くまこ
1
タイトル通り面白かった。いくつかシリーズであるようなので他のものも読みたい。2018/03/10
代理
0
「さあここが紅葉だ見てもみないでも」「もてんとすべからず ふられじとすべし」が好き。時代が変わっても人は変わらない。たしかに川柳で吉原はネタに困らなそう。笑えない時こそ、ぐっとこらえて笑うのが粋なのかな。タイトル通りに面白かった。2018/07/31
ほっかいジンくん
0
吉原の遊郭が営業をはじめて400年だそうです。 そして、江戸川柳に吉原を詠んだ川柳がたくさんあるということで本書が書かれました。2018/02/21