出版社内容情報
朝鮮史研究のパイオニアであった梶村秀樹が日本人の排外主義克服のために知るべき朝鮮近現代史を平明に情熱的に説いた連続講演の記録
内容説明
いまも日韓では、排外的ナショナリズムがぶつかり合い、歴史認識の断裂が埋められないのはなぜだろうか。一九九〇年に刊行された本書は、この現在の問いへの過去からの回答である。民衆の歴史的主体性を信じ、日本と朝鮮半島が共有しうる歴史を求めつづけた歴史家が人びとに語り遺した朝鮮史像。
目次
1 排外主義克服のための朝鮮史(1971年)(なぜ朝鮮史を学ぶのか;朝鮮侵略の理論と思想;戦後民主主義のもとでの朝鮮観;朝鮮史の内在的発展;若干の補足と論争の深化のために)
2 朝鮮民族解放闘争史と国際共産主義運動(1971年)(朝鮮史の主人公としての朝鮮人民;朝鮮革命運動の前史;朝鮮民族解放運動の国際的試練;在日朝鮮人運動と日本人民の堕落;金日成の抗日パルチザン闘争と八・一五への若干の諸問題)
3 八・一五以後の朝鮮人民(1976年)(朝鮮現代史研究の実践的視点;戦後世界分割と朝鮮人民の苦闘;朝鮮南北分断の軍事的固定化;統一への苦難の時代;革命と統一への新たな画期)
著者等紹介
梶村秀樹[カジムラヒデキ]
朝鮮近現代史研究者、社会運動家。1935年東京生まれ。東京大学東洋史学科卒業。同大学東洋文化研究所助手などを経て、73年より神奈川大学助教授(79年より教授)。朝鮮史研究会の中心的人物として、戦後日本の朝鮮史研究において「内在的発展」の視角から主体的存在としての朝鮮民衆のあり方を追究し、それを通して日本人の生き方を問い続けた。日本朝鮮研究所、金嬉老公判対策委員会、現代語学塾、指紋押捺拒否闘争など、朝鮮人差別克服のための社会活動にも尽力した。1989年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Isamash
kure
実存主義的マルクス主義者を目指して勉強するアライさん
えんさん(연싼)@読書メーター
釈聴音