出版社内容情報
人生にため息をついたり、迷ったりすることがたびたび。そんな時こそ、まど・みちおの詩はとっても素直に入ってくる。「ぞうさん」や「やぎさん ゆうびん」で知られる詩人がつむぐ言葉の世界、とってもよく効くこころの処方箋。
内容説明
「ぞうさん」「ぼくがここに」「妻よ」「木」など今年103歳を迎えるまど・みちおの、こころに寄りそう詩の世界。こころのシーン10章に合わせて、生命をやさしくみつめる詩やものごとの核心に迫る詩、くすっと笑ってしまう詩など70篇を収録。近年注目されている絵画も紹介。
目次
自分が子どもだったことを忘れそうだったら
さびしかったら
生きるのがつらくなってしまったら
世の中に不条理を感じたら
人と自分をくらべてしまったら
笑いたかったら
ちょっとテツガクしたかったら
歳をとったなあと感じたら
やさしい気持ちになりたかったら
ねむれない夜に
著者等紹介
市河紀子[イチカワノリコ]
白百合女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
73
もし、あなたにお気に入りの詩人がいて、その方の詩集が豊富なバリエーションで出版されていたとします。しかも、既に全詩集も出版されていたとします。それでも新たな詩集が生まれます。どうしてでしょう。まさか、全詩集が一冊あれば、その他の詩集は必要無いとは思いませんよね。私はこう思います。一篇の詩は一本の糸のようなもので、赤い糸もあれば青い糸もあります。詩集とは、詩人が撚り合わせた糸の中から、編者が選んだ糸だけで編んだタペストリーのようなものだと思うのです。この詩集は、私にそんなことを考えさせてくれました。
めしいらず
58
ボクが「ここ」にいるとき、誰ともどんな物とも重ならない。もし誰かに「ここ」を押し退けられ転ばされても、また次なる「ここ」にいるんだから。みんな等しく、この地球の上で、優しい空気に包まれて。「ぼくがここに」 あらゆる人からそっぽを向かれても、例えば布切れ1枚あれば体を温めてくれるだろう。ひとりぼっちと思わない練習。「ものたちと」 知らないよその赤ちゃんに笑いかけられて、何だか心が浮き立つ。足取りが軽くなる。その無垢な瞳に、この世に在ることを、ただただ祝福してもられたような、そんな気がするから。「おみやげ」2014/03/31
naoっぴ
49
この本好きです!図書館で借りたけど欲しくて購入。テーマごとにまとめた詩集の他、エッセイや直筆ノート、日記、絵や写真などが入ったとても盛りだくさんな内容で、一冊たっぷりまど・みちおさんの本です。まどさんの詩はいつも優しくてかわいらしくて癒されます。シンプルな言葉の中に万物の真理のようなものを感じて、何故だか癒されて涙がでるものも。「カニ」の自己肯定感や、「おかあさん」の愛が溢れ出る感じがすごく好き。いつ読んでも笑える「ミミズ」「するめ」もいいなあ。2015/06/23
円舞曲
21
優しい気持ちになります。 2017/05/04
なつ
16
初っ端から号泣。一体どうした、どうしちゃったんだ私?!と思いながらも頁を捲る手が止まらない。まどさんのことば・文字・想いを追う、辿る、添う目と心が止まらない。手を重ねて、お話がしたかった。本気でそう思った作家さんはまどさんが初めて。そして「あの歌も?え?この歌もまどさんなの?!」という衝撃に鳥肌が立ち「え!まどさんって絵も描くの?!」という発見に視界がパッと明るくなった。どの詩が好き?なんて選べる訳がない。だってどれもこれも全部私。溶けていたものが形となって今現れた。泣ける、号泣する。それが何よりの証拠。2022/08/05