出版社内容情報
“返還20年”を迎えた香港。そこにかつて暮らし、あらゆる食の体験を重ねた著者が、人と食が織りなす様々な風景をつぶさに描く。
野村 麻里[ノムラ マリ]
内容説明
ストレス蔓延のイメージとは裏腹に、長寿世界一を誇る大都市・香港。極美味な料理の裏に、独自の哲学や人生観によってたつ医食同源の知恵あり。返還二〇年を機に、かつて香港で暮らし、好奇心旺盛にあらゆる食に触れ、体験と考察を重ねた著者が、食を通じて街と人の魅力を独自の視点で綴る。
目次
はじまりは小篭包
蛋のはなし
アリスのスープ
ベジタリアンの来訪
懐かしの西多士
雲呑麺と南乳
黒草羊の冒険
叉燒の愉しみ
師父の息子
貧乏人のナイトクラブ〔ほか〕
著者等紹介
野村麻里[ノムラマリ]
1965年東京生まれ。91年よりフリーライターとして「アサヒグラフ」「サライ」「東京人」などで活動。1996~2002年、香港在住。帰国後は執筆、編集、翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
35
返還前の香港に行った時に、初めて北京ダックを食べて美味しさに仰天した記憶が深く残っています。それ程美味しい物に出会った記憶は忘れがたい。著者が小籠包の美味しさを忘れられなかった話には激しく共感しました。勢い込んで読んでいたのですが、全編食べ物にまつわる話ばかりなので、途中からお腹いっぱいになってギブアップ。街が凄いスピードで変わっているそうで、今の香港に行ってみたいような怖いような気持ちです。2018/03/03
野のこ
34
良かったです。思い出の黄色いスープの小籠包に、家庭の味 漢方をふんだんに使った老火湯、暮らしの中での人と食の出会い。周中房さんのパパイヤフカヒレスープどんな味ねんろう?とうっとり(現在白金にお店あり)南乳という豆腐を発酵させた調味料も気になります、料理に使ってみたいです。空気、「裏通りのグァーンという不思議な音が聞こえてきそうな湿気った風」という文に私の肌もベタつきました。エアコンいれよっと。。2017/07/22
なにょう
16
濃ゆい本である。著者の香港暮らし及び食べ物について。これでもかこれでもかという、圧倒的知識量。食べ物の名前、作り方、中国の風習、よく知っているなあ。わからんと思ったらほっとかないでよく調べるんだろうなあ。はあー。★旧暦の新年の前の香港はさすがに寒いという。今頃は寒いんだろうなあ。いっぺん行ってみたい。2018/01/22
ネロ
13
カバーから、香港にまつわるほんわか食エッセイかなと思い読み始めたのですが、情報量が凄い!これは現地に長いこと住んで、かつとことん興味を持って挑んだ方じゃないと書けないですね。食に関する知識も豊富な著者さんだからこそ、ここまで追求できたんだなと読後はお腹いっぱいになりました。にわか観光客としてはレベルの高すぎる食材や料理も多いでしょうが、彼女のように思い出スパイスが加わればきっと美味しいだろうなと羨ましくなりました。香港も返還20年を迎えます。かつての好景気も今は遠い昔…政府を信用しない香港人たちは日夜デモ2019/07/29
のらぞー
11
『香港に行ってみたい。』そう思って手に取った香港グルメエッセイ。その食べ物の成り立ちから作り方まで細かく記されてて、読み進める毎にボクと香港の距離がどんどん近くなってくるような気がした。ただ…やはり実際に行って食べてみないとねw数多の香港定番料理を食べ歩くか、連日飲茶尽くしでコンプリートを目指すか、日本人の知らないマニアック料理を食べ散らかすか…めっちゃ迷う。2019/01/20