中世から近世へ<br> 撰銭とビタ一文の戦国史

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中世から近世へ
撰銭とビタ一文の戦国史

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784582477405
  • NDC分類 210.47
  • Cコード C0021

出版社内容情報

信長?家康期の貨幣統合の足跡から中世と近世の転換点を探る。カネという社会通念を軸にして初めて見える戦国・江戸期の実態に迫る。

はじめに――英雄が歴史を動かすのか、動かされているのか

第1章 銭はどこからきたのか――ないならつくる
銭とはなにか
銭不足から始まる「中世から近世へ」
銭が再び生産される
交換手段は誰がつくり出す?
後醍醐天皇、未完の造幣計画
室町時代も模造銭がつくり続けられる
日本独自の銭、無文銭が登場
室町幕府による銭の輸入量は小さい
銭の輸入チャネルはさまざま
そもそも輸入銭は潤沢だったのか
97枚で100文か、100枚で100文か
銭がなければ、紙片でまかなう
紙幣の先駆け、割符と祠堂銭預状
紙媒体を使うようになったわけ
銭を動かさず、ツケで取引する
戦乱と銭不足が信用取引を促す
日本産模造銭は庶民のニーズに応えた

第2章 銭はどう使われたのか――撰銭と銭の階層化
「どの銭も一枚一文」原則
撰銭とは
新しい銭を嫌い、古い銭を好む
撰銭する基準は地域でさまざま
等価値使用原則を変則的に運用する――組成主義
銭の階層化と減価銭
基準銭の地域差と悪銭売買
政府が撰銭現象を放置しなかったのはなぜか
大内氏が撰銭令を定めた背景
組成主義を採用する
基準銭を求める理由
食糧を求める人々を保護する
銭が持つ購買力を保証し続ける
大内氏と室町幕府の撰銭令の共通性
戦争と飢饉が撰銭令を促す
納税と貸借について規定する
撰銭令は「人々の期待への対応」?
撰銭令が語る16世紀半ばの銭不足
関東地方で永楽通宝が不足する
撰銭令が語る銭不足の地域差
人々は撰銭令に従ったのか
銭があれば戦争ができる社会
銭を階層化させる慣行に政府が乗る

第3章 銭はひとつになったのか――ビタと信長・秀吉・家康
変わる信長イメージ
信長、銭の不足に直面する
銭の慣行を受け入れる
米の使用を禁じる
石高制を導入する
撰銭令の目的は「秩序の回復」?
銭に振り回される
減価銭の台頭による方針転換
ビタ登場!
ビタが基準銭になる
信長もビタを選ぶ
全国統一までの秀吉の銭政策
東西の銭秩序を結合する試み
撰銭と銭の階層化が再び起こる
銭より金・銀を優先する
伝統が贈与の支払いを拘束する
江戸幕府もビタを基準銭にする
ビタを基準銭にする意図
それでもビタの階層化は続く
藩と民間による銭の供給と輸出
銭不足が紙幣を登場させる
私札の後を追って藩札が発行される
覇者たちは銭をつくらずビタに頼る

第4章 銭はどうなったのか――寛永通宝とその後
寛永通宝はビタのなれの果て
東アジア史のなかの寛永通宝
さよなら、ビタ――長い中世の終わり
中世の残照
銭の時代の終わり

おわりに


高木 久史[タカギ ヒサシ]
著・文・その他

内容説明

銭に独自のルールが作られたそのワケは―。人々は外国の銭を輸入し、模造し、英雄たちはその銭に振り回される。銭不足に悩まされた中世から近世初めの日本で、社会はいかに成り立っていたのか。

目次

はじめに―英雄が歴史を動かすのか、動かされているのか
第1章 銭はどこからきたのか―ないならつくる(銭とはなにか;銭不足から始まる「中世から近世へ」 ほか)
第2章 銭はどう使われたのか―撰銭と銭の階層化(「どの銭も一枚一文」原則;撰銭とは ほか)
第3章 銭はひとつになったのか―ビタと信長・秀吉・家康(変わる信長イメージ;信長、銭の不足に直面する ほか)
第4章 銭はどうなったのか―寛永通宝とその後(寛永通宝はビタのなれの果て;東アジア史のなかの寛永通宝 ほか)

著者等紹介

高木久史[タカギヒサシ]
1973年大阪府生まれ。2005年、神戸大学大学院文化学研究科修了。博士(学術)。専門は日本中世・近世史。越前町織田文化歴史館学芸員を経て、安田女子大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

47
どうしても必要な通貨を政府が発行しなかったために、やむをえず輸入したり、民間が作って流通させたのが「ビタ銭」。けっして現代的な意味のニセ金ではなかった。とにかく中世の「お金」の常識をくつがえすような論が満載。紙幣の出現も、ただひとつ、一文という単位の硬貨しかなかったため、昔の人の知恵が生んだ合理的な解決法。ここには決して莫迦に出来ないものがある。2018/12/20

ゲオルギオ・ハーン

25
戦国時代の貨幣について調べるために読みました。面白いのは銭の使われ方については幕府や大名が主導したわけではなく、民間での使われ方を尊重し、追認しながら秩序づくりをしていたという視点が面白いし、納得できる。当時の統治制度的に現代的な貨幣使用の取締ができるはずもないことは分かる。つまり、市場に受け入れられるルールを出せるか、武士たちの収入を守れるか(権力を支えている武士たちの生活を守ることが大名たちの死活問題でもある)ということが戦国大名たちの経済的課題になってくると推測される。2023/08/03

21
清盛の宋銭に始まり、大陸の銭に貨幣経済を依存していた日本。しかし明の鎖国政策の影響で、東アジア全体に銭が不足する。ないなら作るしかないので、民間が中国の銭をまねてビタを作り始めた。それに伴い、撰銭が起こる。ビタは受け取れないと大陸の銭を選択する。次に階層化が起こる。例えばビタ千文は本銭500文の価値しかないと。古い銭を撰る理由として最近でも二千円札はちょっと胡散臭くてみんな忌避してたでしょ…と著者が例示してたのがなるほど納得。2021/01/01

浅香山三郎

20
『貨幣の日本史』(中公新書)も面白かつたが、本書も著者の専攻する日本中・近世史の話だけあつてたいへん面白い。近年の考古学、歴史学を始め、中国などの東アジア情勢をも踏まへた視野の広さを生かして議論を展開する一方、時期や地域の銭貨流通の状況からかなり原理的にときどきの政策意図を読み解く力量に敬服する。社会経済史は単なる史料解釈のセンス以上に、原理的思考の巧みさが勝負どころだといふことがあらためて感じられた。2020/11/07

MUNEKAZ

10
地域ごとに流通する貨幣が異なる中世から、信長・秀吉らによる「ビタ」の統一、そして江戸幕府の三貨制度へと至る流れを紹介した一冊。著者はこの一連の動きを天下人たちに何らかのグランドデザインがあったわけではなく、むしろ民間の動きを追認するものであり、またあくまで軍事的な動機で行われていたことを強調している。他にも永楽通宝が畿内では嫌われ、東国では好かれたなど地域ごとのえり好みの話も興味深かった(ならば信長は嫌われ銭を旗印に上洛したのかと…)。2018/09/02

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