出版社内容情報
知の複合体・南方熊楠の説話学は、芳賀・高木・柳田の民族へと収斂するそれと別の方向性をもつ。遺存資料に探る南方説話学の可能性。
杉山 和也[スギヤマ カズヤ]
著・文・その他
内容説明
民俗学や植物学をはじめ、南方熊楠が渉猟した学問領域は多岐にわたり、その足跡は広く深く展開している。説話学においても、南方熊楠の博学は、高木敏雄や柳田國男をリードする役割をもった。けれども南方の説話学は、彼らや芳賀矢一など、その後の学界の主流とは別の方向をめざし、別の視野を拓いている。膨大な遺存資料のなかに、南方説話学の可能性をとらえる。
目次
1 南方熊楠の生涯(南方熊楠の虚像と実像;生い立ち ほか)
2 南方熊楠の学問(南方熊楠の学問観;南方熊楠と、その学問に対する評価 ほか)
3 日本における説話学の勃興と南方熊楠(説話とは;日本における説話学の黎明 ほか)
4 南方熊楠の説話学と、その可能性(高木敏雄と南方熊楠の衝突;南方熊楠の説話学の研究方法 ほか)
5 南方熊楠旧資料の価値―説話研究の側から(遺された蔵書と自筆資料の足跡;南方熊楠本人さえ読めない文字を読み解く ほか)
著者等紹介
杉山和也[スギヤマカズヤ]
1983年、千葉県生まれ。青山学院大学大学院文学研究科日本文学・日本語専攻博士後期課程、在学中。専門は説話研究と国文学研究史研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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