内容説明
誘拐事件が連続して起きていた。しかし数百万程度の身代金を払えば子供が無事帰ってくるため、泣き寝入りのケースが多く、警察は誘拐があったことに気づかない。ネット上で“ジーニアス”と自ら“天才”を名乗り、闇に身を潜める卑劣な犯人を炙り出す。警視庁の影の捜査チームに招集がかかった。だがその時、メンバーの一人、武藤隆は、托鉢中に知り合った男のために、別の誘拐事件に巻き込まれていた―ページを繰る手がとまらない、面白さ抜群のシリーズ第2弾!
著者等紹介
貫井徳郎[ヌクイトクロウ]
1968年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。93年、第4回鮎川哲也賞で最終候補作となった。『慟哭』でデビュー。2010年、『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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三代目 びあだいまおう
260
「お子さんを預かっている。返して欲しければ数百万円用意しろ。警察に通報すれば子供の命はない」なる電話が入る。必死に頑張れば用意しうる金額なら、我が子の命と天秤にかけられる訳がない。金を振込むと果たして子供は無事帰ってきた。警察が感知することなきかような誘拐が続きやがて1人の赤ちゃんが犠牲に!自分は手を汚さず、足跡さえも残さず、人の心理を巧みに操り誘拐を繰り返させる黒幕を追い込むくだりはなかなか痺れた!裏で犯罪を暴いていく謎の組織の『シリーズ』だったんですね、解説で知りました。順番違ったが他も読もう‼️🙇2018/12/29
キムトモ
146
前作の「失踪」よりは面白かったのかなぁ〜〜が感想🤔事件が起きてる最中はそれなりだったんですが…解決編となった途端にテンションが落ちる…といった印象も有りラストもピリッとこない終演でした…(ノ-_-)ノ~┻━┻三部作のラストは面白いらしんでんですが…ハードル上げずに突入します〜〜2020/06/08
じいじ
122
『慟哭』で右フックを、『壁の男』で左ストレートパンチを食らって、貫井小説の面白さにハマってしまった。次の作品は、〇〇症候群シリーズから「誘拐」ものミステリーが好きなので、第2弾の本作を選んだ。『壁の男』でも感じたが、綿密に練られた構成と組立、場面の切り替え方が巧い。幼女二人、そして乳児とつづく三件の誘拐事件。犯人は同一犯か否か? だとするなら、乳児の身代金だけが何故?1億円と破格なのか?…ページを繰る手が止められません。さて、次の貫井作品は何にするか? 思案中です。2018/05/04
セウテス
100
症候群シリーズ第2弾。今回のメインキャラは、謎の僧侶武藤である。少額の身代金誘拐詐欺を考えた男は、ネットでジーニアスと名乗り世間を見下していた。このジーニアス、大きな犯罪のフィクサーなのかと期待したが、ただの愚かな違い男の様である。誘拐の身代金を少額にする事で、素早く完結出来るとの作戦は、そうだろうと思う。しかし、警察に通報されないという自信は、大きな間違いだろう。エンターテイメントとして、環たちがジーニアスを追い詰めていく展開は中々面白い。だが今回もハッキリとしない事柄が幾つか在り、次回で纏まるのか。2019/10/13
TAKA
99
症候群シリーズ第2弾。今回は托鉢憎武藤が主役。別々の誘拐が繋がるのかと思えば別もんであり、結局(ジーニアス)はネット上同様匿名のまま終了。誘拐幇助の咲子も架空の男に夢中になり考え無しで行動するのはあまりにも世間知らずすぎる。韓国人差別の件もそこまでやるかって感じだけど。失踪症候群よりかは面白かった。殺人症候群がシリーズ最高作らしいのでそっちも楽しみではある。環の破天荒な解決法もありですかね。2020/10/25