出版社内容情報
心理臨床家にとって最も大切な「ひとを知ること」とはどういうことかを40年に及ぶ臨床家人生の中から伝える。心理臨床家にとって最も大切な「ひとを知ること」とは、知識ではなく目の前に呼吸する人の「生きる」を「知る」ことである。そのために必要な臨床家の在りようを語る書。
皆藤 章[カイトウアキラ]
著・文・その他/編集
アーサー・クラインマン[アーサークラインマン]
著・文・その他
目次
第1部 心理臨床家の感性(いのちのときを生きる営みとしての心理臨床;心理臨床の感性;「生きる」からの視線)
第2部 事例「考える葦」(「考える葦」再考)
第3部 糖尿病を生きる(糖尿病という病い;糖尿病者の語り)
「現前性(プレゼンス)」(アーサー・クラインマン)
著者等紹介
皆藤章[カイトウアキラ]
1957年福井県生まれ。1977年京都大学工学部入学。1979年京都大学教育学部転学部。1986年京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。1993年大阪市立大学助教授。京都大学大学院教育学研究科臨床教育学専攻臨床実践指導学講座教授。文学博士、臨床心理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きくりん
2
「『出会い」と『出会いを生きる』とは決定的に違う」「心理臨床とは幸福をめざしてときを刻む実践ではない。何処に向かうとも知れない道を、出会ったひととともに生きる実践である」「語りを聴くということは、語り手の人生をあばいているという危険性と表裏一体である。そのことにつねに敏感でなければならない」寄り添う覚悟、聴くという行為に対する謙虚さ、関係性を含めた見立てによる判断の重要さ、常に問い続けていかねばなるまい。2022/08/02
林檎
0
大仰と言ってしまえば酷いかもしれないけど、きちんと言葉にして真摯に向き合うと大仰でもなんでもなくて、その通りなんだろうなあ。皆藤先生の最終講義はとてもよかったけれど、本は、文字だけだから、読み手にすべて委ねられていて難しい。「生きる」に込められた意味が大きすぎて、受け止めきれなくて、わかりにくくて、ちょっと正直なんとも言えない感じでした。己の未熟さ故かな。2018/08/02